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2011-11-28

 鳩間島  情熱の語り (八重山・沖縄)

『八重山 鳩間島民俗誌』 
情熱の語りと貴重な見解

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『八重山 鳩間島民俗誌』大城公男著(榕樹書林・6720円)
 柳田國男や折口信夫をはじめとする民俗学者の文章には、彼らの熱い思いが語られることがある。
また、伊波普猷や喜舎場永■の著作にも情熱的な語りが散見される。当時の時代がそうさせただけでなく、民俗学には村社会への熱い思いが内蔵されていたからであろう。

 ところが、近年の民俗誌は、著者の主張を極力抑えて先入観や思い入れを排し、見聞したことを細大漏らさず客観的に淡々と記述するのが常道になってきている。民俗学そのものが学問として、客観的・科学的な態度を重視する意識が強くはたらいているからであろう。

 そのような中、『八重山 鳩間島民俗誌』は、語り部となった著者が鳩間島の多様な民俗を熱っぽく語る。
例えば「私は、読者を妙な錯覚に陥れ」と読者を意識し、あるいは祭事現場の雰囲気を「握り拳を作って両手を額の前に交差させ、ヒヤユイサ、ヒヤユイサと叫びながら跳ねるようにして踊る」と高揚して語り、「(鳩間)昭子(私の親戚で、ふだんは昭姉さんと呼ぶ)は友利御嶽のサカサで、そのとき八〇歳になっていた」などと親戚・友人が実名で登場し、鳩間島の人間関係を髣髴(ほうふつ)とさせる臨場感あふれる書き方になっている。

 ただし、著者は伝統的な語り部ではない。高等学校長を退職後、東北大学大学院で民俗学を学んでおり、本書にはその成果が随所にちりばめられている。
なかでも「キチゴン(結願祭)は比較的新しい祭事である」「各御嶽の神は独立した存在ではなく繋がっている」「サンシキは人々の生活空間と神の領域が重なる境界であった」「友利御嶽は宮古渡来集団が祀るヤマト系鍛冶神である」などの見解は、八重山の伝統的な祭りや鍛冶神を考える上で貴重な指摘である。

 また、本書は、著者の体験および幼いころの回想による個人史的な側面を有しながらも、可能なかぎり祭祀や年中行事を忠実に再現し、愛郷心に富んだ著者ならではの筆致で島の生活史を生き生きと描いており、学問的にも意義深い好著である。

(狩俣恵一・沖縄国際大学教授)
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 おおしろ・きみお 1937年竹富町鳩間生まれ。琉球大教育学部を卒業し、教職に就く。県立八重山農林高、首里高校長などを経て定年退職後、2001年に東北大学大学院に入学して人間科学(宗教学)を専攻。

※注:■は王ヘンに「旬」


  琉球新報  
category沖縄ホテル・民宿・ペンション  time10:29  authorseasa 
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