2012-01-04



琉球王国のすごろく復活 (沖縄)

琉球王国のすごろく復活 「聖人上」県芸研究員らが製作

琉球王国時代のすごろく「聖人上」を復活させようと取り組む(右から)仲村顕さん、
鈴木耕太さん、(左から)総合学園ヒューマンアカデミー那覇校の井手香奈子さん、山城渚さん、講師の下地祐子さん=13日、那覇市泉崎

 琉球王国時代に士族らが遊んだすごろく「聖人上(シージンアガルー)」を復活させようと、研究者と学生らによる取り組みが始まっている。
聖人上は生まれてからさまざまな職を経験し、聖人を目指す“人生ゲーム”のような盤上遊戯。升目には王国時代の役職などがずらりと並ぶ。当時の文化を今に伝える興味深い内容だが、語句は全て漢字。親しみやすくはない。そこで、メンバーは職業や身分をイラスト化し、当時の状況を想像しやすいよう工夫。「遊びの中で琉球の文化の独自性を感じてほしい」と期待を込める。

 県立芸術大学付属研究所共同研究員の仲村顕さん(38)が約1年前、県立図書館の所蔵資料などを基に製作を発案し、同研究員の鈴木耕太さん(32)が協力した。総合学園ヒューマンアカデミー那覇校で学ぶ山城渚さん(21)、井手香奈子さん(21)、冨名腰愛乃さん(20)がイラスト化を担った。

 聖人上は「シージンアガイ」とも読む。仲村さんによると1700年代には成立し、明治時代のころまでは遊ばれていた記録がある。文献が少なく、駒やサイコロの状態など分からないことも多い。「多くの種類が存在したはずだが、遊びや日常生活に使われていた物は文献に残りにくい」と指摘し、「もっと多くの資料を見つけたい」と意気込む。

 鈴木さんは「聖人上には王府の仕事が具体的に示されている。漆器や料理を作る人、薩摩に行く人など、その内容は『士工商』にわたる。『士農工商』を明確に分けていた江戸の武士社会との大きな違いだ」と説明。仲村さんは「伝統的な遊びを復活させることはアイデンティティーを形成する上で重要だ。楽しみながら琉球や沖縄の独自性を認識してほしい」と願う。

 イラストを描いた山城さんは「琉球の歴史に触れる機会が少ない小学生にも分かりやすいようカラフルなイラストにした」と笑顔。井手さんは「ハラハラするすごろく。家族みんなで楽しんでほしい」と話した。

 完成した作品は1月1日付の「新報小中学生新聞 りゅうPON!」新年特別号に掲載する。

  (佐藤ひろこ)


  琉球新報