2011-12-13



ワクワクドキドキんまだいしょうが記念公演(八重山・沖縄)

人形に息吹き吹き込み30年
/んまだいしょうが記念公演

ワクワクドキドキを演出

宮古の民話を題材にした人形劇団んまだいしょう結成30周年記念公演
=11日、市中央公民館

 人形劇団んまだいしょう(奥平久乃代表)の結成30周年記念公演が11日、市中央公民館で開かれた。宮古の民話を題材にした創作民話人形劇「川の種~川をつくった少年のはなし~」を披露。親孝行の大切さや先人たちの教えを盛り込んだ筋書きに、団員たちが人形に息吹きを吹き込んだ舞台は子どもたちの目を引き付けた。


会場には大勢の家族連れが訪れ、舞台で繰り広げられる
人形劇の世界を楽しんだ

 代表者奥平さんの人形劇活動歴は30年余。子どもたちのためにと立ち上げた人形劇団は、宮古の民話を基本に県内外での公演活動や他の人形劇団との交流を続けてきた。お話サークルや読み聞かせグループとの共演など、子どもたちのみならず地域の母親たちにも大きな影響を与えた。

 昨年は地域の文化活動の功績をたたえられ県文化協会賞功労賞を受賞した。

 節目の公演には多くの家族連れが訪れ、主人公の少年の親を思う気持ちに同化したり、妖怪の登場にびっくりしたりして人形劇の世界を楽しんだ。


 団員たちは、人形に人間を絡ませて視覚的に分かりやすく表現したり、せりふに宮古方言をふんだんに取り入れ会場の笑いを誘ったり、30年の集大成を舞台いっぱいに披露した。

 沖縄本島から「手弁当」で駆け付けたティーラスが音楽を担当。人形の動きに合った音響や幻想的な照明などの演出効果も加わった約40分間の舞台は、最後まで子どもたちの目を引き付けていた。

 代表の奥平さんは、幕開けのあいさつで「子どもたちが大きくなってから『あの時見た人形劇は面白かった』と言ってくれるような公演をこれからも続けていきたい。皆さんと一緒になってドキドキワクワクを楽しみながら続けていきたい」と決意を示した。

 北小おはなしクラブももたろう、城辺学童保育クラブが友情出演し、フィンガーアクションやわらべ歌などをそれぞれ披露した。

.  宮古毎日新聞

2011-12-08

少女通し沖縄戦描く 漫画家の比嘉慂さん

少女通し沖縄戦描く 漫画家の比嘉慂さん

<「美童物語」第2巻発刊>「今につながる沖縄の風土を描きたい」
と話す比嘉慂さん=那覇市内の仕事場  (2008年9月5日) 


 1989年のデビューから沖縄戦や基地問題などを題材に作品を発表し続ける
漫画家・比嘉慂(すすむ)さん=那覇市=がこのほど、漫画雑誌「モーニング」
(講談社)に不定期連載した作品と書き下ろし作品を収録した「美童(みやらび)物語」第2巻を発刊した。
1巻に続き主人公は沖縄の少女たち。女学生のカマルや貧乏から糸満売りされたキヨらの目を通し、沖縄戦が始まる前の不穏な空気が漂う沖縄を描いた。比嘉さんは「資料や証言から物語を膨らませている」と話し、今後も少女たちの成長と沖縄の風土を描き続けることにしている。

 比嘉さんは糸満売りについて「僕は親から生で話を聞いた世代。資料を読むと厳しいだけではなく、貧しい社会のセーフティーネットとしての役割も果たしていたようだ」と説明。「もう消えそうな自分たちの古層にあるウチナーンチュの“根っこ”をつかまえていたい。僕にとってそれは方言であり、糸満売りやジュリなど共同社会だ」と強調する。

 前作から2巻が発行されるまでの間に「教科書検定意見撤回を求める9・29県民大会」が開かれるなど、沖縄戦を問い直す動きがあった。比嘉さんは「政治的、社会的にはいろいろあるが、沖縄が誇りを持っていることを描きたい。先人の生きていた風土の確かさを確認し、僕たちの物語をきちんと持てば、ぶれることはない」と話す。

 「美童物語」は読者層が高めで、モーニング担当編集者は「沖縄で戦争というテーマはとっつきにくいと思われがちだが、古き良き映画のような深くて濃い内容の作品。読んでもらえれば確実に良さが分かる」と話す。比嘉さんは「社会や人間に関心を持ち始めた生意気盛りの少年少女たちに読んでもらいたい」とも。

 第2巻には9歳で糸満売りされたキヨがカミアチネー(魚の行商)の技を覚えながら世間を学んでいく「糸満売り」姉の章・母の章、戦死者の魂(マブイ)を見た玉栄がユタに弟子入りする「ユタ」、そして夫を戦争で失ったアサが国に復讐(ふくしゅう)する「世を捨てよ」の4編を収録。執拗(しつよう)なまでに描き込まれた自然描写が沖縄の風土を醸し、作品世界を力強く支えている。比嘉さんは「今後、僕らの時代に重なる米軍統治時代についても描きたい」と意欲をみせた。(熊谷樹)


  琉球新報