2011-11-02



県出身者の店、ベスト和食店に(OKINAWA)

県出身者の店、ロス近郊ベスト和食店に

「ベスト・ジャパニーズ・レストラン」に選ばれた「ハブ家」を経営する
バーガスさん(中央)と従業員ら

 ロサンゼルス近郊オレンジ郡の若者情報誌「OCウィークリー」はこのほど、同郡の和食レストランを対象にした「ベスト・ジャパニーズ・レストラン」に与那原町出身のバーガス真弓さん(42)が経営する「ハブ家」を選出した。

 同誌は選出の理由について、「ニューヨークのピザが他と違うように、独特の食文化を持つ沖縄食も和食と違いがある。オリジナルメニューで他店にない魅力を発信している」と説明。ラフテーや沖縄そば、ゴーヤーチャンプルー、パイナップルを取り入れたシャーベットなどのメニューを評価した。

 「知らせを聞いたとき、涙がこぼれた」と話すバーガスさんは、「(審査では)沖縄食と日本食との違いもちゃんと認識されている。アメリカで沖縄を認めてもらえた喜びを感じている」と語った。

 バーガスさんは昨年12月、沖縄の食文化をはじめ、米市場に「オキナワ」を発信する拠点にしたいとの思いを込めて「ハブ家」と命名して開店。カリフォルニア州在住の県出身者をはじめ、沖縄での駐留経験を持つ元米兵らや地元住民など幅広い層を顧客に持つ。

 沖縄の食文化を音楽や民族性など総体的に理解してもらいたいとの趣旨から、若者らに場所を提供したイベントなども多数開き、沖縄文化の新たな発信の場としての役割も担っている。

(平安名純代・米国特約記者)  沖縄タイムス

八重山教科書:文科相、再協議に難色 (沖縄)

八重山教科書:文科相、再協議に難色
 【東京】
中川正春文部科学相は1日の閣議後会見で、八重山地区の中学公民教科書採択問題で、県教育委が次善策として、3市町に対し新たな協議の場を設定するよう国と県で働きかけることを提案したことに対し「一義的には県にさらに努力してもらいたい。文科省が(現地に)行って押し付ける話でもないと思う」と困難視した。

 同省は育鵬社版を選んだ地区協議会の答申を有効とし、9月15日に県教委に対し、答申に基づく一本化を図るよう通知。一方で、県教委は10月31日、森裕子副大臣に対し「答申に法的拘束力はない。答申通りに採択するよう竹富町に求めることは、かなりの無理がある」と反論している。

 中川氏は会見で11月末までに一本化されなかった場合、答申通りに採択した石垣市と与那国町のみ無償給与となる従来見解を説明。

 答申と異なる東京書籍版を採択した竹富町が一本化に応じなかった場合、「(一本化の)コンセンサスが出ない場合は弾力的に考える。子どもに支障が及ばないことを前提に、竹富の意向を尊重する配慮ができればと思う」と述べ、同町が自費購入し生徒への無償給与することを認める考えを示した。

 地方教育行政法と教科書無償措置法の在り方は「二つの法律が重なり合っており、整理する必要がある」と述べた。

  沖縄タイムス

八重山教科書:竹富教育長「県指導待つ」(沖縄)

八重山教科書:竹富教育長「県指導待つ」
 【八重山】
八重山地区の教科書問題で31日、県教育委員会の経緯報告を受けた文部科学省が、11月末までに3市町の公民教科書を一本化できない場合、竹富町に有償での教科書購入を促す方針をあらためて示したことを受け、同町の慶田盛安三教育長は「3市町で話し合っても互いに自分の考え方を主張するだけで、平行線に終わる」とし、今後も歩み寄りは困難だとする認識を示した。一方、竹富町だけを有償とする国の方針に、同地区の住民には反発と失望感が広がっている。

 慶田盛教育長は、育鵬社版を不採択とした3市町の全教育委員による協議について、「一本化に向け、あれ以上の状況はこの先もつくれないし、石垣と与那国は認めないだろう。(協議を主導した石垣、与那国両市町の)教育委員長も代わり、再協議の可能性はほとんどない」と指摘。「町としては県の指導助言を受けるだけだ」と述べた。

 石垣市の玉津博克、与那国町の崎原用能両教育長もこれまでの取材に対し、一本化に向けた再協議には応じない姿勢を見せている。

 「子どもと教科書を考える地区住民の会」の仲山忠亨共同代表は「なぜ協議会の答申に拘束力があるのか理解できない。教育委員会の採択権を侵す、法律違反だ」と強調する。

 「3市町でまとまらず、何とかしてまとめようという最大の努力が全委員協議だったのに、国がそれを否定することは考えられない。八重山は一つ。全委員協議を尊重して一つにまとめてほしい」と望んだ。

県の直談判 国応じず
大城教育長 表情厳しく

 【東京】
八重山地区の中学公民教科書採択問題で31日、文部科学省に県教育委員会の考えを伝えた大城浩県教育長。「協議会答申」を有効とする見解を崩さない同省の対応に、「協議会規約でも答申は最終決定ではない。あくまで3教育委への答申で、それが即、(地区としての)結論というのは、あまりに飛躍しすぎる」と強い口調で同省の対応を疑った。

 この日の面談は、同省側が現状を聞き取るため、県教委へ報告を求めて実現。面談時間は森裕子副大臣と約30分、山中伸一初等中等教育局長と約1時間の計1時間半余りで、県側は時間のほとんどを費やし全員協議が有効と主張。しかし、同省も見解を譲らず、話し合いは平行線に終わった。

 大城教育長は面談後、眉間にしわを寄せた厳しい表情で記者団の前へ。答申通りの採択でないままでは、竹富は無償給与とならないという同省に対し、「(義務教育の無償を規定した)憲法26条との兼ね合いもあり、いかがなものかという気がしないでもない」とチクリ。同省との見解の相違にいら立ちを見せた。

 県の見解をまとめた文書では、全員協議が無効だとすれば、県と同省で3市町教育委にあらためて協議を求めるよう協力を求めたが、同省からの明確な回答はゼロ。「今日は互いの立場をあらためて述べた状況。(互いに)近づいたのか…という感じ」と、県教育行政トップによる直談判にも姿勢を崩さない同省との議論を評価しあぐねているようだった。

  沖縄タイムス

うちなーぐちの不慣れ逆手に (沖縄)

うちなーぐちの不慣れ逆手に
 「尚徳と金丸」現代演劇協が挑戦


普久原(中央)がうちなーぐちを使った芝居を若手に指導する場面
=10月30日、北谷町のちゃたんニライセンター

 沖縄現代演劇協会(真栄平仁理事長)の2011年度企画公演「尚徳と金丸」(作=宮城信行、演出・脚色=田原雅之)が10月29、30の両日、北谷町のちゃたんニライセンターで行われた。
北谷町教育委員会などと共同主催。
普段は共通語で演技する現代演劇の各役者たちが沖縄芝居のせりふ劇に挑戦した。慣れないうちなーぐちの発音、抑揚を逆手に取る意外な展開もあり、自由な発想で演出した。

 「尚徳と金丸」は1981年、沖縄市民会館の開館記念の「史曲ももちゃら第二部」として初演以来、約30年ぶり。うちなーぐち指導は平良進、吉田妙子。地謡は花城英樹。

 物語は内乱で護佐丸、阿麻和利が滅ぼされた後、尚泰久王(普久原明)が平安を願い万国津梁の鐘を鋳造させた場面から。年月が過ぎ、尚泰久の後継として王子・尚徳(平安信行)が王位を継承。王の家臣の金丸(当山彰一)は亡き護佐丸の兄・安里(新垣正弘)から「尚徳を倒し金丸が王になってほしい」と頼まれる。金丸は尚円として王位に就き第二尚氏が始まる。

 第1幕は日本語訳の字幕なしで展開。第1幕の終盤、急に客席の後ろから新垣晋也が演出役として現れ登壇し稽古中との設定で芝居を中断。出演者との打ち合わせの中で、「やっぱり日本語訳がないと分からない」と字幕表示することに。第2幕からは字幕で日本語訳を表示した。途中、演出役の新垣が再登場する場面は役者たちが沖縄の芝居や演劇の課題を議論し「国立劇場おきなわで沖縄芝居や現代演劇の役者養成をしては」などの提案も。

 出演者の中で、うちなーぐちの発音、抑揚が流ちょうではない村人役の若手に沖縄芝居役者の普久原明、新垣正弘がうちなーぐちの芝居を指導する場面もあり、笑いを誘った。

 演出の田原は「沖縄芝居の様式を壊さないように壊す」と指摘した。「壊す」度合いが大きくなると、芝居の継承にはつながらず、中途半端な舞台になる懸念もあるだろう。芝居の良さを出しつつ、若者の興味を引くことのバランスも大切になると感じた。

 沖縄芝居を見たことがない若者にも興味を持ってもらう入り口にしたいとの狙いは興味深い。その狙いを生かすためにも、さらなる工夫の余地も感じた。例えば中断の場面で国王に対し使う敬語についての解説も含めてはどうか。また、ナレーションで長めに説明した時代背景など複雑な内容は、パンフレットに簡単な図解などがあると、より分かりやすくなるのではないかと思う。

 沖縄芝居と現代演劇の交流はまだ少ない。沖縄を拠点に活動する現代演劇の各劇団が、より独自性を打ち出していくために、沖縄芝居から学べることは多く、逆に現代演劇側が沖縄芝居に刺激を与えることもできると思う。沖縄芝居と現代演劇がもっと連携する取り組みが広がってほしい。(古堅一樹)


  琉球新報