2011-10-04



調査委与党多数で否決 教科書問題 (八重山・沖縄)

調査委与党多数で否決 教科書問題
与党「内容は明らか」、野党「問題点がある」

石垣市議会(伊良皆高信議長)9月定例会は3日、本会議を開き、教科書採択手続きの調査などを目的に前津究氏から提案のあった教育行政の事務手続きに関する調査特別委員会の設置について、与党の多数で否決した。
教科書問題をめぐってはこの日も玉津博克教育長から答弁の訂正申し入れがあったほか、別の玉津教育長の答弁内容に対して自民党県連からも抗議の声が挙がっているが、与党側は「一般質問でも多くの議員が取り上げ、内容はおおむね明らかにされている」と必要性を認めなかった。

 特別委について前津氏は、教科用図書を選定した協議会の議事録の公開を請求するなどして調査を進める意向を示していた。
 これに反対討論を行った石垣亨氏は「議事録公開については採択協議会で採択が整った後に公開するとの合意があり、近々に公開されると考える。また、一般質問でも多くの議員が取り上げ、内容はおおむね明らかにされている」と理由を説明。

 賛成の立場から石垣三雄氏は「きょうも答弁の訂正の申し入れがあった。採択の過程について業務のあり方に数多くの疑義がある。多くの議員が一般質問で取り上げたが、解明できないさまざまな問題点が浮き彫りになった。すべての情報が明らかになり、事実をはっきりさせた上でないと、正しい解答はみつからない」と訴えた。

 同特別委は、市民会館使用料基準の明確化も調査対象に加えており、石垣氏は、前津氏が不自然さを指摘した変更調定について「申請者(宮良公民館)が市民会館関係者からの助言で手続きができると知らされたのは2月20日、2月28日に申請され、同日に調定変更されたのは何ら不自然ではない」と反論、「不見識を公言してはばからないのは他の公民館活動に水をさし、萎縮(いしゅく)させるので慎むべきだ」と批判した。
 採決の結果、賛成者は野党側の9人で過半数に達せず、賛成少数で否決された。本会議終了後、前津究氏は「与党は執行部を守るのを優先し、市民目線に立っていないのではないか」と話した。


   八重山毎日新聞

自慢の大綱見に来て 那覇大綱挽、9日本番(沖縄)

自慢の大綱見に来て 那覇大綱挽、9日本番
null
入魂式を行い、大綱を仕上げる翁長雄志那覇市長
(左から5人目)ら=3日、那覇軍港

 ギネスブックに認定された世界一の大綱を引く「那覇大綱挽」が9日に行われるのを前に、翁長雄志(おなが・たけし)那覇市長や那覇大綱挽保存会の新垣勇会長らは3日、那覇軍港で大綱を仕上げる入魂式を行い、綱引きの成功を祈った。
 翁長那覇市長は「いつ見ても雄大だ。何万人もの市民や観光客らで綱を引くと思うと本当に誇りに思う。世界のウチナーンチュにも見てほしい」と話した。
 
保存会の新垣会長は「東日本大震災からの復興を願い、元気になるよう引いてほしい」と話した。
 
今年は8月22日に製作を始め、雄綱、雌綱合わせて全長200メートル、総重量は約43トン。13日には、世界のウチナーンチュ大会の主会場の沖縄セルラースタジアム那覇の入り口に雄綱と雌綱の一部とカヌチ棒を展示する。


  琉球新報

3歳で米移住 55年ぶり姉妹ら再会(沖縄)

3歳で米移住 55年ぶり姉妹ら再会
null
55年ぶりの再会を喜ぶ仲村ヒロ子さん(前列右)、パトリシャ・アンダースンさん(同2人目)と小嶺富子さん(後列右から2人目)=3日午後9時20分ごろ、那覇空港(中島一人撮影)

 3歳の時に米軍人の養父と養母に引き取られ米国に移住した、那覇市壺屋出身のパトリシャ・アンダースンさん(59)=日本名・新垣久子、アトランタ在住=が3日、55年ぶりに沖縄の地を踏み、姉妹と再会した。
姉妹は言葉のハンディを乗り越え、半世紀にわたる空白を埋めようと抱き合い、肩を寄せ合った。
パトリシャさんは「たくさんの親族が迎えに来てくれるとは思ってもいなかった。55年たって沖縄に来たら女優になったみたい」と顔を赤らめた。12日開幕の世界のウチナーンチュ大会に、姉妹そろって参加する。(佐渡山倫子)

 那覇空港では姉の仲村ヒロ子さん(63)や妹の小嶺富子さん(56)、親族ら13人が出迎えた。姉妹は「ロビーに来たら、ちゃんとパトリシャさんを見つけられるか」と心配していたが、パトリシャさんがロビー奥に姿を見せると、迷うことはなかった。互いに顔をほころばせ、笑い声を響かせた。めいやおいは「やっぱり似ているね」と見守った。

 パトリシャさんは、末の妹の宮城徳子さん(50)の存在を初めて知り「妹があと1人いたのね」と満面の笑み。めいやおいとも1人ずつ握手を交わし、親族の温かさを味わった。

 養父母が他界し、自身も定年を迎えたことで、実母や姉妹に会いたい気持ちが高まり、昨年9月にアトランタの県人会に声を掛けた。仲村さんらの消息が分かったのはことし2月。本紙を通じて実母や親戚を捜していると呼び掛けたところ、姉妹が名乗り出て、実母の春子さんは約23年前に他界していたことが分かった。

 パトリシャさんは姉妹の存在が分かって喜びを抑えきれず、消息を報じる本紙を持ち歩き、知人に見せては目を輝かせていたという。

 パトリシャさんは1952年まれ。3歳6カ月の時に、米軍嘉手納基地のパイロットで中佐だったアービン・アンダースンさん夫妻の養子になり、56年12月に米国へ渡った。仲村さんや小嶺さんとは異父姉妹。仲村さんは、親戚からパトリシャさんの存在を聞かされていた。

 パトリシャさんは17日まで滞在。親族で食事を楽しんだり、実母春子さんの墓参りをしたりして、55年ぶりの古里を満喫する。

  沖縄タイムス

「カツオの町」再興へ試験操業 本部町(沖縄)

「カツオの町」再興へ試験操業 本部町
null
一本釣りしたカツオを次々と運ぶ乗組員ら
=本部町渡久地港

 【本部】
「カツオの町」再興へ―。昨年廃船したカツオ漁船「第11徳用丸」(49トン)以降、大型船でのカツオ漁が途絶えていた町で、新たに14トンの「第二黒潮丸」がカツオ一本釣り漁の試験操業を始めている。
9月30日には乗員4人で約600キロを水揚げ。町や本部漁業協同組合からは「カツオの町に従来通りの漁が戻るきっかけになってほしい」と期待が集まっている。

 第二黒潮丸は、海洋博覧会記念公園管理財団が所有する調査船だ。漁協にカツオ漁振興の協力を申し出た財団の計らいで、調査時を除いてカツオ漁のため貸し出されることになった。

 同船はカツオ漁用に改造され、ことし7月ごろから試験操業を開始。船長の岸本本名(ほんめい)さん(56)は「最初はほとんど釣れなかった」と言う。本格的なカツオ漁の経験者は、乗組員の中では一人だけ。自然との闘いでもある一本釣りに、試行錯誤の日々を重ねている。徐々に水揚げは増えてきたという。

 同漁協の平安山良修組合長によると、第11徳用丸の廃船以降、水揚げが少なくなり、町内にあるかつおぶし加工工場の原料の確保が困難だという。平安山組合長は「原料が出せるように頑張ってほしい」と期待を込める。

 第二黒潮丸は、来年から本格的に操業を始める予定だ。岸本船長は「釣れるときが一番楽しい。どうすれば良くなるか、いろいろと試していきたい」と気負わずに前を見据えた。

  沖縄タイムス

世界の沖縄人 歌で歓迎しよう(沖縄)

世界の沖縄人 歌で歓迎しよう
null
沖縄や日本の懐かしい歌を歌う合唱サークルの会員たち
=沖縄市諸見里・プロジェクトZenko

 【沖縄】
昔懐かしい童謡唱歌で海外から来るウチナーンチュ大会の参加者を迎えようと、沖縄市とうるま市を拠点にする三つの合唱サークルが9月30日、合同で練習した。サークルの会員たちは「歌を通して故郷への思いを共有できれば」と張り切っている。

 練習に熱を入れるのは、童謡サークルしゃぼん玉(沖縄市)、合唱団いずみ(同)、歌声サークルわらべの会。ウチナーンチュ大会のプログラムの一つとして開かれる「日本の歌・沖縄の歌・心の歌」コンサートでは計90人が出演し、「うみ」「故郷」「汗水節」など8~10曲を披露する予定だ。

 出演を呼び掛けたのは、しゃぼん玉の代表で、アナウンサーでもある伊良皆善子さん。伊良皆さんは過去に2度南米にコンサートに行った際、久しぶりに童謡や唱歌を聴いた1世や2世が涙を流して感激していた光景が忘れられないという。「どこへ行っても大合唱だった。ロックやジャズだけではなく、だれもが郷愁を感じる歌でもてなしたい」と本番を楽しみにしている。

 この日は最初の合同練習にもかかわらず、会員たちの息はぴったり。ピアノの伴奏に合わせて美声を響かせていた。

   沖縄タイムス

県系・日系歌手が集結 宮沢和史さん演出ライブ(沖縄)

県系・日系歌手が集結 宮沢和史さん演出ライブ
null
「日系人たちが紡ぐ未来の物語を伝えたい」と語る
ザ・ブームの宮沢和史さん=那覇市内
来週開幕する世界のウチナーンチュ大会期間中に
開催される、県系・日系人歌手らによる音楽イベント
「NIPPONIA(ニッポニア)」の総合演出をザ・ブームの
宮沢和史さんが務める。
ブラジルで日系社会を知った宮沢さんは、「歌を通じて世界のウチナーンチュたちとつくる未来を考えたい」と意気込んでいる。

 コンサートは14日、宜野湾市の沖縄コンベンション劇場で開催される。

 宮沢さんはブラジルで脈々と受け継がれる日本文化を目の当たりにした。「私たちは日本できちんと文化を継承できているんだろうか。日本人がどこか忘れてしまったものがここにあるんじゃないか」

 異国の地で日本文化を守り、継承していく人々の存在を伝えたいという思いで、ステージをつくり上げた。

 アルベルト城間さん(ペルー)、ウクレレ奏者のジェイク・シマブクロさん(ハワイ)らが出演する。問い合わせはPMエージェンシー、電話098(898)1331。

   沖縄タイムス

琉神マブヤーヒーローショー 東京でも大人気(沖縄)

琉神マブヤーヒーローショー 東京でも大人気
null
東京進出を果たした「琉神マブヤー」=2日、東京・
丸の内の東京商工会議所・東商ホール
 【東京】
沖縄のご当地ヒーロー、琉神マブヤーのDVD全国発売を記念した試写会とヒーローショーが2日午後、東京・丸の内であり、抽選で選ばれた約600人の親子連れらで満席となった会場から大きな歓声が送られた。
 
東京での初イベントで、1日からは東京MXテレビでの番組放映も始まった。沖縄で29日から上映される映画版は、来年1月から全国で公開される。
 
ショーではマブヤーより先に登場した悪の軍団マジムンのハブクラーゲンが、手下のクーバー1号・2号を交えた軽妙なやり取りで客席を大いに沸かせた。
 
ショーの後、マブヤーは「思った以上に温かく迎えてもらった。僕たちの活躍を全国で見てもらえればとてもうれしい」とコメント。宿敵ハブクラーゲンも「客席の温かい拍手でテンションが上がった。最高でした」と声を弾また。
 
マブヤーは「地方で頑張れば全国でも注目してもらえる。沖縄の子どもたちにもたくさんのチャンスがある」とエールを送っていた。


 琉球新報

カジマヤー2人を祝福 浜比嘉島比嘉区(沖縄)

カジマヤー2人を祝福 浜比嘉島比嘉区
null
色鮮やかに飾られた軽トラックに乗り集落内を
パレードする前新門マスさん(手前)と古喜屋ツネさん
=3日午前、うるま市勝連比嘉

 【うるま】
旧暦の9月7日に当たる3日、うるま市浜比嘉島の比嘉区で数え97歳のカジマヤーを迎えたお年寄り2人の祝賀会が行われた。2人は孫やひ孫と共に色鮮やかに飾られた軽トラックに乗り、区内をパレード。訪れた多くの区民は2人の長寿を祝った。
 
カジマヤーを迎えたのは古喜屋(こきや)ツネさんと前新門マスさん。比嘉小学校、幼稚園の児童26人のマーチングを先導に、集落内をパレードした。沿道では家族らがかぎやで風とカチャーシーを踊ったり、2人に握手をして長寿をあやかった。
 
日ごろから野菜や豆腐を食べることが健康の秘訣(ひけつ)だという前新門さんは「たくさんの人に祝ってもらい、涙が止まらない。これからも長生きしたい」と話した。
 
古喜屋さんの長男の清善さん(62)は「健康に気を付けてもっと長生きしてほしい」とカチャーシーに合わせて手を振るツネさんを見詰めながら語った。


  琉球新報

奇神出現に悲鳴、歓声 (宮古島・沖縄)

奇神出現に悲鳴、歓声 島尻で伝統パーントゥ
null
 国の重要無形民俗文化財に指定されている宮古島市平良島尻の伝統祭祀 「パーントゥ」 が2、 3の両日に行われた。

全身泥だらけの奇神パーントゥが同集落内を駆け回り、 地元住民や市内各地から訪れた市民、 観光客、 見学者などに襲いかかっては泥をなすり付けて厄を払い、 むこう1年の無病息災を祈願した。

 午後5時ごろ、 キャーンと呼ばれるつる草 (シイノキカズラ) を身にまとい、 仮面と杖を手にした3人のパーントゥが集落の北側にあるンマリガー (生まれ井) から姿を現した。 集った子どもたちは興奮した様子で、 「きた」、 「 「逃げろ」 などと歓声や悲鳴を上げながら、 われ先にと逃げ回っていた。

パーントゥは逃げ回る子どもらに容赦なく泥を塗りつけた。
 集落には多くの観光客らも駆け付け、 カメラなどを片手に独特な雰囲気の島尻の年中行事を満喫していた。 訪れた保護者の中には、 パーントウの前に赤ちゃんを連れて行き、 泥を塗ってもらい無病息災を祈願する姿も多く見られた。
 
市内上野から訪れた新里大吾さん (30) ・由紀子さん (29) 夫妻は、 息子の梨斗くんが1歳を迎えたので初めての参加。 「厄除けをしてもらおうと来た。 しっかり塗ってもらえて満足している。 優しく塗ってもらったので泣かなかった。 今後も、 こういう行事には参加していきたい」 と感想を話していた。

宮古新報

島尻で「パーントゥ」(宮古島・沖縄)

島尻で「パーントゥ」
/国指定文化財泥を塗りたくり厄払い
null
パーントゥは親子に泥を付け厄払いと福を招いた
=2日、島尻
 
国指定重要無形民俗文化財の奇祭「パーントゥ」が2、3の両日、島尻地区で行われた。体中に泥を塗り仮面をかぶったパーントゥ3体が1年ぶりに出現し、住民や観光客らに泥を塗りたくって厄除け、招福した。集落内は泥を塗られた人の「キャーッ」「ウワーッ」の悲鳴が響いていた。

 初日の夕暮れ、集落中央の道路は厄払いと福を招くために訪れた人でにぎわった。全員がどきどきわくわくの表情を交錯させ、3体が現れるのを待った。

 3体は仮面を付け、泥だらけのつる性の植物を身にまとい、つえを持ち、裸足の出で立ちで出現した。

 子どもたちの中から「パーントゥが来たぞ」との声が上がると、全員が逃げる姿勢を見せた。

 パーントゥが走り出すと、恐怖心から悲鳴を上げて逃げ回る人も。パーントゥは追い付き、捕まえた人に容赦なく泥を塗った。

 パーントゥは、幼い子どもには優しく泥を付けた。新築家に上がり込むと、壁などに泥を塗り、家主から祝い酒やごちそうのもてなしを受けた。

 パーントゥ 数百年前に、島尻でクバマと呼ばれる海岸に黒と赤の仮面が漂着した。村人は、この仮面は海のかなたから訪れた来訪神と崇敬した。男が仮面をかぶって集落内を駆け回ったのが由来と伝えられている。

.  宮古毎日新聞

少年エアライフル、新里(糸満)が優勝 山口国体 (沖縄)

少年エアライフル、新里(糸満)が優勝 山口国体 
null
第66回国民体育大会「おいでませ!
山口国体」第2日の2日、広島県のつつがライフル射撃場であったライフル射撃の少年男子エアライフル10メートル立射60発で、新里江平(糸満高)が本戦、決勝を合わせた総得点684・9点を挙げ2連覇を飾った。今大会県勢初の優勝。

   沖縄タイムス

組踊、欧州公演へ 仏・独・伊で魅力発信(沖縄)

組踊、欧州公演へ 仏・独・伊で魅力発信
null
欧州公演に向け組踊「二童敵討」の稽古に励む出演者ら
=27日、浦添市の国立劇場おきなわ
 
県内の芸能団体でつくる「沖縄県芸能関連協議会」(略称=沖芸連、照喜名朝一会長)は10月下旬~11月上旬、フランスのパリ、ドイツのケルン、イタリアのローマで組踊や琉球舞踊、琉球古典音楽を披露する「琉球伝統芸能 欧州3カ国公演」を実施する。組踊の国連教育科学文化機関(ユネスコ)無形文化遺産登録を記念し、琉球芸能の魅力を世界へ発信する。
 
公演は28、29の両日にパリ、31日にケルン、11月2日にローマで計5回を予定。2009年度の文化庁文化交流使・喜瀬慎仁さんが海外で琉球古典音楽の魅力を伝えた活動がきっかけになり沖芸連が企画し、文化庁の助成を受けた。
 
組踊「二童敵討」を国指定重要無形文化財「組踊」(総合認定)保持者や若手実演家が演じる。
 
母子の別れ、敵討ちの緊迫した場面などを表現。地謡を琉球古典音楽の人間国宝・照喜名朝一さんらが務める。
 
琉舞は「かぎやで風」「稲まづん」「若衆特牛節」「鳩間節」など。琉球舞踊保存会会長の玉城節子さんの「かせかけ」や照喜名さん、喜瀬さんの琉球古典音楽独唱もある。
 
団長を務める照喜名さんは、「組踊の海外公演はめったにないチャンス。言葉が分からなくても、演技で少しでも感じ取れるものがあれば、と思う」と語った。


  琉球新報