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2009-04-05



ブラック、微糖

2009年4月3日付 朝日新聞西部本社版 「声」欄 かたえくぼ

3月末の紙面改編に伴って、レイアウトが変わりました。

 う~ん、今回はちょっと、ブラックの一線を超えちゃったかな、とも。

 この百年に一度の不景気の折から、生活の困窮、爪に火を点す節約、金欠に懐寒し・・・といった、
われわれ庶民が悲しくも共有できる自虐ネタはこれまでも頻繁に投稿していたのですが。
 しかし、夜逃げ・・・、にまで至ると、やんごとない、のっぴきならない、笑い事では済まされない状況・・・、をも思い浮かべてしまいます。いや、投稿する時点でそこまで思いが至ればよかったのですが。

 まあ、家族や知人も、そこまで考えなくてもいいのでは、と言ってくれますし、こうやって掲載をしていただいておいて、投稿者自らが「やっぱりまずかったです」と自己批判するのもいかがなものかと。編集部の方々にも申し訳ないですし・・・。

 「ブラックの一線」、と冒頭に書きましたが、それはもう、価値観や感じ方によって、千差万別、百人百様。
 実は薄墨、以前に、ある大事故を題材にした「かたえくぼ」の内容が「一線を超えている!不謹慎極まりない!良識を疑う!」とひとり激昂し、抗議の手紙をしたためたりしたこともありました。
 しかし、そのことを契機に、こうも自省しました。

 「ブラックの一線を超える、とは何か。つまり、私自身の中にその一線、超えてはならない一線の
"基準"がある。ということは、ここまでは大丈夫、ここまでだったら一線を超えてはいない、と自ら許容する範囲のブラックを、自身の中に内包していることでもある。ところが、私が許容する範囲のブラックが、別の方の"基準"に照らしてみると、実は一線を超えたブラックになっていることもあるのではないか」。
 なんだか禅問答のようですが。

 この「かたえくぼ」への投稿を勧めてくれた妻の最初の一言が、「あなたの、その害にしかならない毒舌、皮肉を、世のため、人のために役立てられないかなぁ」というものでした。・・・いや、決して世のため、人のためになっているなどと思い上がってはおりませんが・・・。そして、実はその妻から、私が妻へ向ける毒舌、皮肉が、かなりの頻度で、妻にとってのブラックの一線を超えていると、日々、非難、叱責されているのです。
 家庭の恥を曝してしまいましたが、そんなわけで、私にとってのブラックの一線やその"基準"というのも、甚だ心許ないものであることを申し述べたかった次第。



 さて、先般から紹介させてもらっている『THE BIG ISSUE』。3月15日発売の115号に、9ページにわたて、「生きのびる」という特集が組まれています。NPO法人ライフリンク代表の清水康之さんと、文化人類学者の上田紀行さんとの対談。この特集、さらに、4月1日発売の116号へと続きます。

 その中に「生きる支援の総合検索サイト ライフリンクDB」が紹介されています。
 「支援策に関する情報が得られないためがために苦しみ続けている人、生きる道を断念せざるを得ない人たちを、一人でも減らしていきたい」と清水さん。
 そして、上田さんは、「サイトをまず見ての感想を言うと、自分がそうなった時にこのサイトに到達するのもいいけど、そうなる前にクリックしとくべき、それがものすごく重要。緊急避難的にクリックするケースではなく、そこまで追いつめられてない時からたくさんクリックしておくのが重要なのではないかなと思ったんですね」

 その「ライフリンクDB」のURLを記載しておきます。
 http://lifelink-db.org/

 なお、以上、『THE BIG ISSUE』誌に関する内容はすべて、上記115号より引用させていただきました。また、現在のところ、同データベースに登録されている相談窓口は東京・大阪・名古屋から先行してスタートしていますが、順次、エリアを拡大されていくとのこと。



 夜逃げを思い立つような境遇の方が、その前に、このようなセーフティーネットと出会うことができれば。


 ・・・今宵、ブラックに少しだけ、砂糖とミルクを。




冷たい雨 散る桜 散ってなお 道を照らす



風に舞い 水面に浮き 水を求める人の 渇いた心もうるおすかもしれない


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