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2010-06-08



空 高々と


     フライを高々と打ち上げるのは 案外 難しい



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     2005年のリーグ優勝を決定づけた 9月7日ナゴヤドームの総力戦で
     延長10回 決勝のホームランをレフトスタンドへ放り込んだ
     あの 中村豊コーチでも




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     1985年の日本一の年に 左の代打の切り札として いぶし銀の活躍をした
     そして ヤクルトと近鉄でも優勝を経験した
     あの 永尾泰憲コーチでも
     (あれ?永尾コーチ ノックは右打ちですか?)



     「すまん!」 「もういっちょう!」 なんて声が響く





     高々とぶち上げた マニフェストや政策を
     実行 実現するのも これまた難しい

     「おわびします」 「人心一新」 なんて言葉が
     虚しく響いたこの数年


     鳴り物入りかどうか分からない 新内閣が発足するという今日の佳き日


     太陽(てぃだ)かんかんの雁の巣球場で
     鳴り物のない 静かな熱気に包まれた 二軍の野球を観戦

     国会の本会議のように どこか 付和雷同的狂騒に包まれた一軍の公式戦と違い
     グラウンドの息遣いまで伝わってくるような二軍戦に このところ足が向く
     客席からのヤジも 国会議員より数段 機知に富んでいる
     ベンチからの声に耳を澄ませば 野球の機微が見えてくる

     交通費と JR雁ノ巣駅前の酒屋さんで買う2リットルのウーロン茶と 時々 ビール
     それだけの出費で 一日楽しめる
     (おばあちゃんが店先に座るこの酒屋さん なぜか ちんすこうをバラ売りしている)




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出待ちの皆さん ご苦労さん ぶら下がり取材ではありません





空を見上げると

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     福岡空港へと着陸する航空機は 必ず
     ここ 雁ノ巣の航空管制上空を低空飛行で通過する
     ライト側からレフト側へ ほぼ5分間隔で バックスクリーン上を横切る機影
     超過密な空港の 超過密な進入路は 民間航空機のショーケース

     その飛行コースの正確さたるや
     今日投げた 安藤くん 久保田くん 石川くんのコントロールの比ではない
     (マウンドの低さはハンディだったかもしれないが)


     練習から 試合終了まで 約5時間半

     自衛隊機が一度だけ 同じコースを
     ハーフライナーのようなスピードで飛び去った
    
     隣のおじさんが 「ファントムか」とつぶやく

     福岡の空をF-4が飛んでいるのかどうかも知らないし
     そもそも福岡空港を離発着できるのかどうかも知らない
     築城基地なら分かるが 那覇空港なら慣れっこだが
     福岡空港にも 迷彩塗装のC-1輸送機は定期便のように飛んでくるが 



     地元の空を知ることも 案外 難しい
     いや 知ることを怠っていただけか

     自宅から30km圏内にPAC3が配備され
     10km圏内に防空指令所があるというのに
     県内に配備されているPAC3は すでに4基にもなったというのに



     地対空誘導弾パトリオットを高々と打ち上げるのは 案外 難しい
     ・・・かどうかではなく それ以前の問題だと思うのだが

     練習はない
     「すまん!」 「もういっちょう!」もない
     プレイボールもない
     いきなりの実戦が いつの間にか 日常と隣り合わせにある

     高々と打ち上げた時点で 勝敗のないゲームセットだと思うのだが





ウチナーンチュの皆さまへ

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     沖縄水産高校出身 大城祐二選手
     今シーズンからまた スイッチ・ヒッターに挑戦しています
     ノックも 外野と内野 両方で受けています
     いつでも走れるよう 実戦を想定したダッシュに余念がありません

     代走 守備固めだけでなく
     早く その打棒を見たいものです

     「ゆーじー!たっぴらかせー!」と
     今年もまた バックネット裏から叫びます

     ・・・バントのサインが出ていないかどうか確かめて
     


2009-06-20

ゆーじー! ゆーちばたんどぅー!


・・・・と、バックネット裏最前列から叫びたかったのですが。
大城祐二選手に向かって。




 5月14日、雁の巣球場、私は生まれて初めてファームの試合を観戦しました。
 最も注目していた、というか、彼をお目当てに球場へ足を運んだと言っても過言ではない、阪神タイガース、大城祐二選手(沖縄水産高校卒。元・豊見城市の野球小僧)のツーベースに歓喜した日のことは、先日の「ゆーじー! たっぴらかせー!」に書きました。

 6月9日(火)~11日(木)の3連戦。再び、ホークスとの対戦を雁の巣球場で観戦するチャンスが巡ってきました。
 しかし、折しも梅雨入り、直前の週間天気予報でも、期間を通じて雨模様との予想でした。ただ、次にタイガースのファームの試合が福岡で行われるのは9月。ずいぶんと先になってしまいます。
 ということで、何としても今回、ゆーじーの勇姿を見ておきたいと、6月9日、小雨交じりの中、私は前回と同じバックネット裏最前列に、さんぴん茶を持参で馳せ参じました。


 結果から申しますと、今回、ゆーじーの出番は巡ってきませんでした。


 3回裏までが30分で終わるという投手戦。
 我がタイガースの先発は鄭凱文(ジェン・カイウン)。台湾出身の20歳、現役の大学生。春先には一軍で初登板・初先発のデビューも果たしています。ホークスの投手もスタンドの反応を見るに、そこそこ名の知れた選手のようです。
 このように、一軍クラスの投手が投げると、どうしてもファームの打線とは力の差が出てしまうのでしょう。試合がスピーディーに進むのもさもありなんです。いや、しかし、前回観戦した時のタイガースの先発は、エースナンバー18をつけた杉山でしたが、ボコボコ打たれ、ボロボロ歩かせ・・・。

 まあ、それは置いといて・・・。

 そういう試合展開でしたので、選手交代もほとんどなく、あれよあれよという間に9回、ゲームセット。しかし、4安打1失点で完投したジェン投手の快投には「あっぱれ!」。

 

 この2日間で、すっかり、ファームの試合の魅力に取り付かれてしまったとともに、その見方、楽しみ方の勘所も分かってきました。



今日も平田二軍監督のトスと指導を受けるゆーじー



 試合開始2時間前から、その目はグラウンドに釘付けになっています。目の前で繰り広げられる練習は、試合と同じく真剣そのもの。コーチや監督からの厳しくも的確な声が飛び交う中、ひたむきに白球を追い、バットを振り込む未来のスターたち。様々な試合の場面を想定して、目まぐるしく白球が行き交うノック。
 元野球小僧の私は、こんな光景に、試合以上に胸躍らせてしまうのです。

 ティー・バッティングから、マシン相手のフリー、そして、打撃投手相手のフリー・バッティングへ。背番号63のゆーじーの姿を追い続けます。
 ティー・バッティングでは、前回に引き続き、平田二軍監督が直々にトスを上げながら、アドバイスを送ってくれています。ゆーじーも、それに応えて、より正確なミートで、より鋭い打球を飛ばします。


  

  

       ネットがなければ、もっといい写真が撮れたのですが・・・。
       もちろん、真正面のライナーを避ける反射神経もありませんが・・・。


 そして、フリー・バッティング。ケージの後ろに立って、背番号63のスイングを見つめる平田監督。鋭いライナーを左右に飛ばすゆーじー。
 ちなみに、芝生席に打球を放り込むような選手には、八木打撃コーチの目が光っていました。選手の個性・特性に合った指導者が、その持ち味を生かす指導をするという役割分担なのでしょうか。



黒いスタジャンが平田二軍監督。 隣の背番号76・八木コーチも、ゆーじーに目線を送っています



 バッティング練習が終わるとノックです。視力2.0の私でも、外野を縦横に走り回る選手を見分けるのは至難の業ですが・・・、その体型と最近の起用法から、ライトに入っている選手に注目です。
 一つのポジションに2~3人ずつ。ともに汗を流す仲間であり、同時に、ライバル。一歩でも先に、一瞬でも多く輝いて、アピールしなければならない、厳しい世界。
 そんな厳しい光景はまた、ファンにとっても注目の場面です。外野からのバックホーム。キャッチャーまでダイレクトに、レーザービームの送球をする選手もいれば、中継に入った内野手へ正確無比な送球をする選手も。ゴロに向かっての攻撃的なチャージに目を見張らせる選手もいます。

 やがて、ノックは内野の連携へと移ります。と同時に、ライトから一人の選手が走ってきて、セカンドの守備位置に入りました。背番号63、ゆーじーであることが肉眼でも分かりました。そして、セカンドにも同時に2人の選手が。

 今のところ、内外野併用のゆーじー。まだ、レギュラー・ポジションは獲れていません。しかし、ユーティリティ・プレイヤーというのも強みになるはずです。一軍で活躍する平野恵一選手のように。


 雨粒に濡れるカメラをタオルで拭きながら、そんな練習風景に見入ってしまいました。


 もちろん、ゆーじー以外にも目を引く選手はいました。
 育成選手の背番号123、野原祐也選手。やはり、平田監督からトスを上げてもらいながらのティー・バッティング。鼓舞と下ネタを交じえての厳しい指導を受け、代打で出場した試合では見事、その鼓舞に応えました。

 ベンチ、そして、コーチからの厳しい声は、試合中も途切れることはありませんでした。いや、もしかすると、TV中継や一軍の公式戦では応援の声にかき消されているだけであって、同じように発せられているのかも知れませんが。
 ファームの試合では、その声がグラウンド中に響き渡ります。選手がそれに反応して動いている様子もよく分かります。

 そして、また、その一言一言が、TV中継の解説者の薀蓄などより、はるかに説得力があります。元野球小僧の私の琴線にビンビン響いてくるのです。すべてのプレーに意味があり、意図があり、次のプレーが頭にあってこそ今のプレーが生きる。そのことを、ファームでは実戦の中で学んでいることがよく分かります。
 プロで飯を食っている選手には失礼な言い草ですが、観客席も勉強になります。



 さてさて、そういうわけで、今回は残念ながら、ゆーじーに声援を送ることなく、雁の巣球場を後にしたのですが・・・。


  試合開始前のミーティング。バット片手に気合十分のゆーじー。・・・スタメンじゃなかったけど。
  ちなみに、帽子を取るか取らないかは個人の自由なのでしょうか? プロでは・・・



 しかし! その2日後、ゆーじーはやってくれました。結果を出しました。
 もし、球場に足を運んでいたら、試合で活躍した大城祐二選手に向かって、ゲームセットの後、思いっきり叫ぶことができたのですが・・・。

 「ゆーじー、ゆーちばたんどぅ!」 (よくやったぞ!)

 8番・セカンドで先発出場し、2打数1安打、1四球。
 じょーとーやっさー!
 
 
 さらに、6月18日の中日戦では、ライトで途中出場し、あの中田から、阪神の一軍勢も苦手とする中田賢一投手からヒットを放ち、試合を決めるダメ押しの1打点も上げたとの情報も。
 
 暑い夏に向けて、これからどんどん、調子を上げていって欲しいものです。

 そして、9月にはまた、応援に行こうねぇ~!





 訂正!

 9月には一軍にいて、甲子園でマジック減らし、いや、胴上げの輪の中にいようねぇ~!





素晴らしいピッチングに魅せられました。ジェン・カイウン投手


 そういえば、ジェン投手の故郷の台湾って、甲子園よりも近いですね、沖縄から。
 食文化も似ているところが多いし。

 ゆーじーとジェン、二人でどぅしぐゎーになって、てびちやウンチェーバーなど食べながら
 「好吃やっさ!」 「まーさんデスネ!」 なんて・・・。
 いや、やはり沖水出身だから、じょーとーいまいゆの刺身でしょうか。

 ・・・話が脱線しました。



 9月には一軍にいて、二人揃ってビールかけの輪の中にいようねぇ~!


2009-05-15

ゆーじー!たっぴらかせーっ!



打った―――――― っ!!!!! 打ちよった――――― っ!!!!!

ノーアウト満塁のチャンスに、右中間へのツーベース。ランナー2人が生還!


■ 2009.5.14 ウエスタンリーグ ソフトバンク vs 阪神 5回戦(雁の巣球場) 投手:大田原 ■



 実を申さば・・・、興奮して、絶叫して、打球の落下点はよく覚えておりません。インパクトの瞬間は、やや上がりすぎたかな、と思ったのですが。
 我に返ると、外野手が芝生の上の打球を追う中、二人のランナーがホームを駆け抜け、ゆーじーは二塁ベース上に仁王立ちして、レガースを外しているところでした。



 8回表が始まるまで、2-9のワンサイドで負けていたこの試合。ところが、この回からマウンドに上がった相手ピッチャーから、なんと、1番からの3連打でノーアウト満塁の絶好機。

 7回裏の守備から4番・ライトに入っていた、大城祐二( 沖縄水産高校卒。豊見城市出身 )に打順が回ります。

 いつもは下位打線か、代走や守備固めでの起用が多い今季。前日までの成績は・・・・。
 16打数1安打・・・・打率.063。

 しかし、今日の、このいささか大味な試合展開のおかげで、願ってもないチャンスが巡ってきました。小細工なし。好球必打。フルスイングあるのみ。

 祈るような気持ちと・・・。
 一発、気合いの声援を送りたいという気持ちと・・・。
 ・・・でも、バックネット裏から変な声が聞こえると、集中力切れるかな~、という自制心と・・・。

 それでも・・・打席に向かう時、
  ―― 「ちばりよー」では物足りないと思い
   ―― 「いちゅんどー」では・・・、「悪の軍団マジムン」ふーじーだと思い
    ―― 場内アナウンスの声にまぎれるように、でも、かき消されない程の大声で


      「ゆーじー!たっぴらかせーっ!」


         ―― しに、「琉神マブヤー」ふーじー・・・




 試合開始1時間半前にバックネット裏最前列に座ると、目の前に背番号63の姿が。
 ふんどし・・・、あらん、ベルトを締め直し、いざ、バットを握る。



 平田勝男・二軍監督から直々にトスを上げてもらってのティー・バッティング。
 スイングが空気を切り裂く音。バットの芯がボールを捉える乾いた衝撃音。そして、一球ごとに、獣の咆哮のように息を吐く声にならない声。
 戦いはすでに始まっている。



 戦い済んで・・・
 スコアボードに刻まれた8回表の6点。最初の2点を4番・大城祐二のバットが叩き出し、試合が大きく動き始めた。
 しかし、試合終了時の打者9人中、3人が育成契約選手。うかうかしてはいられない。
 明日への戦いはすでに始まっている。



 初めての二軍戦。すっかり、その雰囲気のとりこに。
 600人収容のスタンドには立ち見も。クーラーボックス持参で缶ビールを持ち込んでもOK。目の前に本物の元・メジャーリーガーがいたり(おいおい、たのむよ~メンチさん・・・)。

 「"この子たち"が一軍に上がる日、それだけを楽しみに野球を見てるの」と言う、日傘の貴婦人。
 「きちんとあいさつができる子は必ず大成する」と言う、高野連会長みたいなおじさん。
 試合終了後、ブルペンから聞こえてくる中西清起・投手コーチの説教の声(某球団では鉄拳制裁もあるとか)。


 なんか・・・、野球観が変わった一日。FIELD OF DREAMS。野球の原点。しかも、入場無料。
 二軍戦、最高やっさ~!

 そして、ゆーじー・・・、あらん、大城祐二選手!
 今日は思い出に残る一打をありがとう。確かに目と心に刻みました。小禄のバッティングセンターで
"永遠の高校球児"を謳歌している、貴君の地元少年野球団の先輩にも報告しておきます。
 そして・・・、早く、"この子たち"を卒業して、一軍のちゅーばー選手になってねぇ~!
 でも・・・、また、応援に来ようねぇ~。

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