2016-06-01

戦世を訪ねて 2008~2015

   
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  「健児之塔」へと至る 長い下り坂と階段と 深い森が始まる手前の
  真夏の日差しを遮る木陰で 花束を買い求めた


   
  「明日のための準備ですか?」

  折りたたみ椅子に腰かけ 花を束ねつづける老婦人に声をかける

  「おばあちゃんの手伝いかな?えらいな」

  花を生けたバケツの横に座る お孫さんとおぼしき男の子に声をかける

  「この紫の葉っぱもきれいですね。なんていう名前でしょうか」

  ゆっくりと記憶を辿るように教えていただいたその答えを 不覚にも思い出せない

  「この花を一輪ずつ、手向けたいと思っています。
   これまでに訪れた場所に、これまで花を持って行くことのなかった場所に、
   一輪ずつ、花一輪だけなのですが。
   せっかく、こんなきれいな花束にしていただいているのですが、
   そういう手向けかたをしても、いいでしょうか」

  この問いへの答えもまた 思い出せない

  でも 老婦人は穏やかに 頷いてくださった

  「明日はたくさんの方々がいらっしゃるのでしょうね」
  「今日もね、もう、たくさん来てくださっておりますよ」

  男の子は野球帽を手に 蝶の飛跡を追って 駆けた


-2014/6/22 糸満市 摩文仁-


 
category2014 沖縄旅日記② 夏  time23:50  authorKohagura Erio 

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