2012-04-28

黄金森の見た歴史 文化センターの想い

    
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     2010年春。
     一年ぶりの黄金森、三度目の黄金森。
     この情景を見て、まず、不発弾を憂う。





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     しかし、表層の不発弾は、戦後の早い時期に処理されたとのこと。
     地表面や埋葬地の遺骨取り上げとともに。
     それだけ激しい、戦世の傷跡が残された場所。

     森は戦後に再生されたものなのか。
     戦の前からの生き残りもあったのか。
     黄金森は、今また、黄金森。

     それでもなお、地下に眠る陸軍病院壕。
     それでもなお、拾った不発弾を、近くの小学生が学校に持ち込む。
     もっと前には、この森で遺骨を見つける子どももいたという。

    



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     二年ぶり、二度目の南風原文化センター。
     初めて訪れる、新しくなった文化センター。
     2009年11月に開館。

     「飯あげの道」に近く。

     二年前に訪れた旧・文化センターは、南風原小学校の向かいにあった。
     昔は給食センターだったという、手づくりの温もりに包まれたセンターは、
     その年の秋には役目を終え、新・文化センターへ、歴史と温もりを引き継いだ。



     南風原町。
     南風原文化センター。
     黄金森。
     沖縄陸軍病院南風原壕群20号。

     2008年春、初めての沖縄ひとり旅の、ちょうど折り返し点。
     旅の前半、南部戦跡を歩き終え、後半、読谷方面へ向かう前の十字路。
     その十字路で、さまざまな出会いがあった。

     陸軍病院壕に入壕する前の、事前学習というくらいのつもりで訪れた文化センター。
     しかし、ここで得たものは、その後の旅のあり方を変えるほどに、大きかった。

     質感のすべてがそのまま感じられる、戦中の遺品の数々。
     自分の背丈と比べて感じる艦砲弾の大きさ。
     往時の人が身につけていた、穴の空いた着物。
     それらが、ガラスケースにも入れられずに、目の前にある。



     しかし、戦世だけが文化センターの「文化」ではない。

     戦世がなければ、ずっと受け継がれていたであろう暮らしが、
     そして、戦世を乗り越えて今に受け継がれている歴史が、
     町民の目線で、町民参加、町民手づくりで、展示されている。
     衣食住、祭り、遊び、音楽、誕生から後世までの豊穣たる人生儀礼。
     ずっとずっと守られてきた、守りつづけなければならないもの。

     そして、あらためて、守られてきたもの、守りつづけなければならなかったものを、
     破壊しつくしてしまった戦に向き合う。
     誕生から後世まで、一歩一歩、一日一日、一年一年、
     積み重ねてきたかけがえのない生命が、祝福とともにあった生命が、
     一瞬に絶たれる非業を想う。

     平和とは、戦争の対義語であるとともに、文化や暮らしそのものだと、切に思う。



   ※ 新・南風原文化センターの常設展示は、
     「南風原の沖縄戦」「戦後 ゼロからの再建」「移民」「人びとの暮らし」となっています。
          




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     南風原国民学校は現在の南風原小学校の場所にあった。
     「10・10空襲」の後、那覇にあった沖縄陸軍病院が、南風原国民学校に移ってきた。

     1945年3月下旬、艦砲射撃と空襲の激化にともない、
     陸軍病院は黄金森の手掘りの壕へ。

     3月23日、「ひめゆり学徒隊」、黄金森へ。
     沖縄師範学校女子部・県立第一高等女学校の生徒222人と引率教師18人が、
     看護補助要員として動員される。
    




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     南風原の国民学校児童生徒は、1944年8月、同9月、
     二次にわたって九州へ疎開。

     8月21日、和浦丸とともに那覇を出港した対馬丸は、
     翌22日、魚雷攻撃を受けて沈没。
     犠牲者数1418名(氏名判明者=2004年8月現在)。




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     折にふれ、南風原を訪れる。

     ただ、景色を見るためだけに黄金森に立ち、そこで、大切な出会いがあったりもした。
     「字マップ」を手に、古い歴史を訪ね歩くこともある。
     時に島酒を酌み交わすのも、文化や暮らしそのものだと、平和の夜に背筋を伸ばす。


    ■ 2009-01-30 平和を想い、願う十字路
    ■ 2010-06-20 二人の語り部(後)


-2010/2/15 黄金森・南風原文化センター(南風原町 喜屋武)-


 ■ 参考図書
  『沖縄陸軍病院南風原壕』 吉浜忍・大城和喜・池田榮史・上地克哉・古賀徳子(高文研)
  『対馬丸ガイドブック』 財団法人対馬丸記念会監修(編集工房東洋企画)


   
category2010 沖縄旅日記① 春  time04:12  authorKohagura Erio 

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