2012-03-07

『琉湯人ゆ~フルヤー』 &メイキング

   
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2011/2/26 那覇市樋川にあった「旭湯」


     2月25日から3月8日までの、長い旅。
     その2日目、与儀十字路にほど近い、「旭湯」を訪れた。
     沖縄で浮世の汗を流す、4軒目のゆーふるやー。

     糸満の「ときわ湯」は、2009年10月、歴史に幕を降ろした。
     そして、この「旭湯」も、2011年5月に。

     最初で最後だろうかという、万感の想いを抱いて、
     湯池に身を沈め、湯気の中にたたずみ、脱衣場でとぅるばる。
     西に面した窓から、夕暮れ時のオレンジ色の光が差し込んで、湯気を染める。
     寡黙なマルバイ紳士たちの横顔も染める。
     その末席に加わる喜び。

     そんなおだやかな時間と情景を、静かに心に刻みながら、
     やがて、上気した頭は、沖縄にこんな時間や情景があったことを、
     語り伝えたいと思い始める。
     いや、願わくは、ゆーふるやーの素晴らしさを世に知らしめ、
     ゆーふるやーの再興、ひいては、
     至高の交歓と信じる裸のつきあいの再評価につなげたいと願う。



     琉神マブヤーが守った「マブイストーン」。
     ゆーふるやーにも、ウチナーンチュが忘れてはならない、マブイがあるのではないか。





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西に面したこの窓から オレンジ色の光 涼風 変わりゆく街の情景 浴場は2階です




     脱衣場で風に当たり、火照った体を休ませながら、
     涼風を取り込むために、少しだけ開けられた窓の外を眺める。

     開南から与儀十字路へと至る片側1車線の道は、夕方の渋滞が始まっている。
     そして、この渋滞を緩和するためであろう道路拡張の更地が、道に沿って延びる。
     その更地は「旭湯」のすぐ手前まで来ている。
     やがて、与儀十字路まで通じるのだろう。

     最後にもう一度、湯池へ。

     ■ 2011-06-02 「琉神ゆ~フルヤー」が生まれた場所





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2011/3/7 夜の「新都心」を初めて歩く



     2月25日から3月8日までの、長い旅。
     いよいよ明日には沖縄を離れるという日。
     遅い昼食の後は、宿の部屋でにーぶいかーぶいしていた。
 
     長い旅の果ての疲れが溜まっていたのもあるが、
     それよりも、疲れを吹き飛ばして、最高のコンディションで、
     この夜に臨みたいという気持ちだった。

     夕闇が迫る。
     眠気を断ち切って、少しずつ、心を上気させる。
     自然と上気してくる。

     待ち合わせの場所へ向かうまで、あと2時間余り。
     ふと、「旭湯」での着想を思い出す。
  
     琉神マブヤーが守った「マブイストーン」。
     ゆーふるやーにも、ウチナーンチュが忘れてはならない、マブイがあるのではないか。

     湯池で呆けている時の、つかの間の言葉遊びであったはずの、
     「ティーダ・シャワー」、「スーパー・ティーサージ」。



     宿のテーブルに向かい、まずは、使い終わった地図のコピーの裏に、走り書きをする。
     そして、旅行中に必ず持ち歩く便箋に、清書をする。
     頭の中で、登場人物たちが躍動し、自然と筆を走らせる。


     なぜか人数分の拡大コピーを携えて、予定どおりの時刻に、夜の街へ出る。
     沖縄最後の夜に飲まないという、不思議な感覚とともに歩く。
     そして、徐々に高まる緊張感と、それにも勝る心の昂ぶり。

     上気した心を、「新都心」の夜風がなでる。
     宿の部屋で上気していた心の火照りは、いつしか、もっと大きな楽しみに吹き流される。





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     夢のような時間はあっという間に過ぎ、短い余韻の中にいる。
     すべてが終わって、人生最高の上気が心地よく醒めゆくのを感じる。
     火照りは名残りへと移ろう。

     思い出したように、そして、数時間前の上気をはじかさーしながら、
     『琉神ゆ~フルヤー』の、その拡大コピーを取り出す。
     へんな~しながら、けいたりんへ、手渡す。
  


       のぼ・せる 【〈逆上〉せる・〈上気〉せる】

        頭がぼうっとなる。
    
        [1] 頭に血が集まって顔が熱くなり、ぼうっとする。上気する。
        [2] 熱中する。また、異性に夢中になる。
        [3] 自分は能力があると思ってうぬぼれる。思い上がる。増長する。

                                             (大辞林)



     ゆーふるやーの湯にのぼせ、ゆーふるやーへの愛にのぼせ、旅の高揚感にのぼせ、
     沖縄にのぼせ、沖縄のお笑いにのぼせ、敬愛するプロパン7(現・ぐるくんず)にのぼせ、
     ちょっとばかり、自分にものぼせていた。


     番組の本番前に、『琉神ゆ~フルヤー』を世に出してしまうほど、
     のぼせなかったのは、のぼせずにすんだのは、
     「新都心」の夜風が心をなでてくれたからだろうと、感謝している。


-2011/3/7 那覇市-





    以下のシナリオ(?)は、1年前の今日、便箋に書いたそのままを転記しました。

    ただひとつ、タイトルだけは、
    『琉神ゆ~フルヤー』から『琉湯人ゆ~フルヤー』へと改めました。
    本当は、多少、推敲・修文したい箇所もあるのですが、あくまでも、
    あの日に書いた、あの日の思い出のままにしておきます。

    また、キャスト案は言うまでもなく、まったくの妄想であります。
    勝手にお名前をお借りいたしました皆さま、
    これも皆さまへの敬愛の情、そして、ウチナーゆーふるやーへのオマージュということで、
    ご容赦、ご笑覧をいただければ幸いです。




  『琉湯人(りゅうじん) ゆ~フルヤー』

    キャスト案(敬称略)

     ゆ~フルヤー : 知念臣一郎 または 臣悟
     けいたりん : 上原けいたりん(プロパン7=現・ぐるくんず)
     石けん箱ジラー : 長嶺じゅぴのり(プロパン7=現・ぐるくんず)
     ゆでだこレディ : まりりん こと 田中真理子
     プリンまりりんアイスクリン警部 : まりりん こと 田中真理子(二役)


  ≪全編 エコー入≫

  けいたりん   わーい!でーじ、まぎーお風呂!
           今日は野球で泥んこやし、ドッボーンって飛び込んで、
           プールふーじーして遊ぶのに!

  ゆ~フルヤー 待って!けいたりん。
           お風呂に入るときは、まず、体を洗わないと。

  けいたりん   あっ!時間の都合で最初から変身している、
           正義のヒーロー、ゆ~フルヤー!

  ゆ~フルヤー そして、湯池(湯船)では泳がない、
           湯池の中であかを落としたり、洗濯したりしない、
           あと、大声で騒いだり、走り回ったりしない、
           みんなでルールを守ることが大切なんだ。

  けいたりん   だーるば!
            お風呂大好きだったオジィも、そう言ってたさぁ。
            あと、女風呂ものぞいたらだめだね~って。

  石けん箱ジラー わーっはっはっはっはっ

  けいたりん   うわ~!くにひゃー、たーやが!?マジムン?

  石けん箱ジラー おれさまの名前は、
            「夏でも冬でもシャワーでさっと済ませてしまうウチナー的生活習慣」さまだ~!

  けいたりん   はっさ!名前の長さよ!
            やーなんて、「石けん箱ジラー」でいいあんに。

  石けん箱ジラー せ、石けん箱!?
            この「弁当箱ジラー」のやなわらば~め!
            よーし、こうなったらお前たち、「海の藻くず」あらん、
            「風呂の水あか」にしてくれるわ!

  けいたりん   あきさみよ~!ゆ~フルヤー、助けて!

  石けん箱ジラー これでもくらえ!
            「原油高騰で、経営苦しいんだはず!」
 
  けいたりん   ハゴさよ~!不安定な中東情勢を絡めてきよった!

  ゆ~フルヤー けいたりん、大丈夫だよ。
           「ティーダ・・・・シャワー!!」

  けいたりん   説明しよう。
            ティーダ・シャワーとは、沖縄の太陽(てぃだ)の力を利用した、
           太陽熱給湯システムである。

  石けん箱ジラー くそ~。そんなゆーふるやー、聞いたことないが・・・。

  ゆでだこレディ  ほぉーほっほっほっほっ

  けいたりん   うわっ!また、へんなの来よった!

  石けん箱ジラー おぉ、待っていたぞ。お前は・・・。

  ゆでだこレディ  私の名前は、
            「高級スパ・リゾートでいつも長風呂してのぼせている、ゆでだこレディ」よ!

  けいたりん   ぬーが、ゆでだこか!
           島ダコは刺身が上等あんに。

  ゆでだこレディ おだまり!
           よーし、あなたたち、こうしてやるわ。
           「手ぶらで来ても、タオルも石けんもなくて、困るんだはず!」

  けいたりん   あ、そうか!そういえば今日、何も準備してないし・・・。

  ゆ~フルヤー けいたりん、大丈夫だよ!
           「スーパー・・・・ティーサージ!!!」

  けいたりん   説明しよう。
           スーパー・ティーサージとは、「貸しタオル50円」という、
           ゆーふるやーの旧き良き伝統である。
           なんだったら、「貸し石けん」なんていうのもあるが、常連客たちはたいてい、
           ロッカーの上に、必要なものは全部、置いていたりもする。

  ゆでだこレディ 何よ、それ!
           そんなの、自分んちのお風呂みたいじゃないの!!

  ゆ~フルヤー そうやって、地域の人たちに愛されているのが、
           ウチナーのゆーふるやーなんだよ。

  石けん箱ジラー よーし!こうなったら最後の手段だ。
            あんまり使いたくはなかったが・・・。
            「土地区画整理、道路拡張で、立ち退いてください!」

  けいたりん   ぬーが立ち退きか!退かんでいいやし!

  ゆ~フルヤー うぅ・・・。ゆーふるやーも大切だけど、
           道を作ったりして、住みやすい町を作るのも大切なことだ・・・。
           どうするべき・・・。

  石けん箱ジラー どうだ、まいったか!

  ゆでだこレディ  ほぉ~ほっほっほっ、時代の流れね!

  けいたりん   ゆ~フルヤー!どうするの!?

  まりりん警部  ピ――――!ピ―ピ―!ピィ――!!
            ちょっと!あなたたち、一体、何しているの!?

  けいたりん   あ、あなたは・・・。

  全員      キレたらこわい、浦添署のアイドル、
           プリンまりりんアイスクリン警部!!

  ゆ~フルヤー  なんか、でーじ、キレてる。

  石けん箱ジラー  プッチンしてる。

  まりりん警部  いったーむる、署まで連行します!

  全員       なんで?なんでよ~?

  まりりん警部  あなたたち!子ども向け番組のロケだって聞いていたのに、
            全員、マルバイでしょ!

  全員       あいえな~!

<完>




     最後になりましたが、ちょうど一年前の今宵、
     忘れられない素敵な夜を、ありがとうございました。
     「えりぃさん」に代わって。

     沖縄発のお笑いインターネット・ラジオのさきがけとして、
     2009年4月にスタートした、『プロパン7の沖縄劇場』。
     やがて、ユーストリームでの動画配信も始まるなど、技術革新も日進月歩。
     まりりん、ともよん、番組を盛り上げてくれた素敵なアシスタントとともに築いた歴史を経て、
     今年、彩杏ちゃんを迎え、間もなく、3周年!

     おっと、忘れていました。
     2011年12月には「プロパン7」から「ぐるくんず」へ改名し、
     『ぐるくんずの沖縄劇場』ですね。
     ますます盛り上がっていきましょう!


-Special Thanks-
   ぐるくんず (けいたりん、じゅぴのり)のお二人さん (=当時:プロパン7)
   まりりん こと 田中真理子さん
   miyabooさん
   『プロパン7の沖縄劇場』 (現:『ぐるくんずの沖縄劇場』)リスナーの皆さま

   「旭湯」さん (~2011.5.31)


 
category2011 沖縄旅日記① 春  time23:57  authorKohagura Erio 

Comments

きっちゃき wrote:

 字が多くてよめんさいが

 賑やかだった与儀市場

 坂の付近には馬車むっちゃー相手の
 つま先がはにかんだ お姉さんがたっていた

付近は材木屋が多く、与那原からやんばる材木が
運ばれていたと聞く。

 有名な「ハイカラ湯」は材木屋~の
 サイドビジュネスだったそうだ。 

     
2012-03-08 time14:10

Kohagura Erio wrote:

きっちゃきさん

だっからよ~ゴザイマス。
二回に分けてもよかったかな~と思いつつ、
それでも、ゆ~ふるや~への愛と、この物語の誕生とは、一心同体なのです。

そして、一周年であるこの日にアップしようと、
『琉湯人ゆ~フルヤー』のシナリオ部分は、前もってベタ打ちしていたので、
前半を書いているときには、そんなに長くなるとは感じませんでした。
(それでも、ケータイで見てくださる方は、かなりナンギ~?)

そして、今回もまた、浪漫あふれるお話を。

変わりゆく「開南本通り」を時々、バスで通ったくらいですが、
いい空気を感じました。
照喜名製麺、古本屋、仏具屋、渋滞すればこそ、垣間見ることのできた町並み。
すーじ小にちょっと入って「神里の神」の思い出も。

「ハイカラ湯」さん、もしや、端材やおが屑を燃料に?
2012-03-09 time00:23

きっちゃき wrote:

おがくず燃やし水あきない。
2012-03-09 time11:37

Kohagura Erio wrote:

きっちゃきさん

在りし日の「ときわ湯」さんも、燃料ブレンドだったとか。

4年前の春、内地から糸満自練に合宿教習に来ていた二才達が、
「湯船が恋しい」というので、「ときわ湯」さんを案内しました。
「ウチナーゆーふるやー」、いろんなニーズがあると思うのですが・・・。

宮崎の遠洋漁業のおじさん、お風呂、どうしているのかな・・・。
三十年来の夢、沖縄で嫁さん、見つけることができたのかな・・・。
2012-03-10 time01:19

けいたりん wrote:

けいたりん(ぐるくんず)⇒えりぃさん、力作ありがとうございます。田中真理子大活躍でしたね。次は川満彩杏をフューチャーした「ハジカサーエイカー」でお願いします。
2012-04-17 time23:35

Kohagura Erio wrote:

けいたりんさま

ありがとうございます。
「旅行中に何やってるばぁ?」と振り返りつつ、
とても楽しい、忘れられない、脱力の力作(?)でした。

新作は「ハジカサーエイカー」ですね。
沖縄のどこかで、構想を練りましょうねぇ。
アイデアが降りてくるまで、沖縄を歩きましょうねぇ。
そういえば、城岳の麓に那覇で一軒だけの・・・って、またも、ゆ~ふるや~ロケ???

けいたりん作のラジオドラマも、聴きたくなりました。
キャスティングもいちだんと楽しくなりそうですね。
ぜひまた、お願いします。
2012-04-18 time01:18

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