2010-10-10

旅支度の夜は静かに更けゆく

     
     昨日は福岡で、金城実さんのお話を間近に聞くことができた。

     昨年の春、読谷村のアトリエで、泡盛「忠孝」が溢れるように注がれたグラスの向こうで、
     自由奔放、豪放磊落な中に、繊細な昔語りを織り交ぜておられた氏とも違い、
     また、その後に見た映画、『ゆんたんざ沖縄』、『チビチリガマから日本国を問う!』
     (いずれも西山正啓監督作品)に見られる、二十余年を隔てた二人の氏の面影とも違う。

     ご経歴を知った上での感想だが、今日の金城実さんは、
     以前、教壇に立たれていた時分の姿に最も近かったのではないか。    
     
     そんなことを思いながら、深く噛み砕いて発せられた、いくつもの言葉を受け止めた。

     そして、隙あらば、早々に質疑を切り上げ、
     手にしたバイオレットの煙をくゆらせるべく、別室に移ろうとされる姿に、微笑む。
     あるいは、その後に控える「交流会」なる酒宴へと、心は移ろっておられたのだろうか。



     何もなければ、私もその「交流会」の末席に加えていただきたかった。
     酒の勢いで、議論のための議論、大言壮語を重ねる凡夫と違い、
     実さんは、酒が入るほどに感性が研ぎ澄まされ、その弁舌は理路整然となる。
     ・・・のだと、酒飲みの直感で、私はそう思う。
     ・・・実さんご自身も、そうおっっしゃておられた。

     そういう場にぜひとも加わって飲み語らいたく、
     そして、昨年の春以降の私の沖縄体験を、見つめ直す絶好の機会でもあったのだが。

     さらに、日付け変わって今日には、知花昌一さんも合流される予定になっている。
     その会合にも出席できない。
     ますますもって、惜しい機会を逃したことになる。

     後ろ髪を引かれる想いで、家路につく。



     しかし、ものは考えようで、またいつの日か、こちらから読谷村を訪れればよい。



     このところの沖縄行きはといえば、半分近くが新たな出会いと未知の場所への旅路、
     残りの半分は、再会と再訪の旅路になっている。
     今回の旅程に読谷村は入っていないが、
     本部港へと向かうフェリーの上から、前回と同じように、残波岬を遠望することになるだろう。




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     というわけで、今日から、また、沖縄へ向かう。
     現在も旅支度中。

     間もなく夜が明けて、第一日目が始まる。
     昼頃には那覇空港に到着しているはずである。
     このまま徹夜になるのだろうかと思いながら、結局、キーボードを打っている。
     今夜のメインイベントまでは、飛行機やバスに揺られているだけの一日なので、
     まあ、ニーブイカーブイで。


     今回は、これまでになく、計画を詰めず、ゆるい旅をする計画だった。
     動くとしても、勝手知ったる場所、バスの路線を調べる必要もない。
     場合によっては、一日や二日、何も計画を入れずに、
     ただ、気の向くままに散歩するなんていうのもいいか、などと思っていた。

     しかし、再会と再訪への想いが、徐々に、徐々に、昂ぶっていく。
     いつしか旅程は、勝手知ったる場所と、懐かしいお顔との再会で充たされる。

     そういう方々へ持参する写真やら、ちょっとしたお土産の準備で、楽しい夜が更ける。
     これまでの旅で、時間の都合で訪問をパスした場所の地図を、
     古いファイルから引っ張り出したりもする。
     一日に数本しか便のないバス路線のダイヤ改正を知り、あわててメモを取る。
     (もはや、エクセル形式にしてプリントアウト、なんていう暇はない)




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     幸い、うるま市勝連の天気は良さそうだ。
     昨日、一昨日の公演も、予定どおり催行されたようでよかった。
     
     今夜、勝連城址で、『肝高の阿麻和利』かっちん城公演。
     今年の一月に、同公演を福岡で見て、
     その直後の二月には勝連城址を訪れた。
     目の覚めるような、「うりひゃ~」と叫びたくなるような、いわし雲に彩られた朝だった。

     ここもまた、再会と再訪。

     いつかはこの場所で、グスクを舞台にした公演を見てみたいという願いが、
     今夜、叶う。


     二月に撮った写真にメッセージを添えて、
     オリジナルのTシャツを作ってみた。
     もちろん、今日、かっちん城へ着て行く。

     腹回りの石垣がたっぷんたっぷんと揺れないように、
     いわし雲が汗のカタブイを降らせないように、
     時間に余裕を持って、懐かしい景色を楽しみながら、
     のんびりと、バス停からの道を歩こうと思う。



     そして、これまでお世話になった皆さま、
     またまた、このたびも、お世話になります。


 
category2010 沖縄旅日記③ 秋  time04:39  authorKohagura Erio 

Comments

きっちゃき wrote:

クバ笠姿で歩かれている姿を想像しています。

差し入れ有難うございます。たらんじさびたん。
(足りないと思うほど美味しかったです)
2010-10-20 time15:53

Kohagura Erio wrote:

BBブログスタッフさま

先日はおじゃまいたしました。
那覇ではいつも、お近くに投宿しておきながら、
朝から晩まで出歩いて(飲み歩いて)いるため、
なかなかご挨拶に伺えませんでした。

「てんぶす」の一階に、「一年中離島フェア!」のお店を見つけ、
島々の買い物とゆんたくを楽しんできました。

それでは、こちらこそ、今後ともよろしくお願い申し上げます。
2010-10-22 time18:36

Kohagura Erio wrote:

きっちゃきさん

今夏の旅以来の片想いだったクバ笠とは、
糸満兼城の「かねひで」で結ばれました。

ところがその日以降、太陽は顔を隠し、
街歩きが増えた私の背中で、クバ笠はハジ笠(カサ)ーしていました。
クバ笠の出番はもっぱら、記念撮影の小道具になりました。
糸満照屋のグスクで、少しだけ被りましたが。
那覇空港の手荷物検査のお姉さん、少しだけしかんでましたが。

雪が降る季節、笠地蔵のような格好で、福岡を歩いてみたいと思います。
そういえば、雪国の笠って、材料はなんだばぁ~?

たらんじさびたん。
覚えました!
2010-10-22 time18:47

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