2010-07-24

西の空がまだ宵の口だと酔っ払いに告げる夏の夕暮れ

     
     
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      大義名分の必要もなしに ふらりと足が向く
      徒歩圏内の小宇宙





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      懐具合も気にせずに
      「焼酎2時間500円」に感謝感服
      酒飲みの矜持を以って 2時間という時間の中で
      好みの焼酎を 心と体の赴くままに グラスへ注ぐ
      あおるように 浴びるように飲むためではない
      あくまでも 主役の焼き鳥を引き立てるために
      どれだけ飲んでも500円という芳情に感謝しつつ
      たしなむべし

      「飲み放題で!」などと 噂を聞きつけてやって来た新参者のように
      喜色満面 士気高揚と声を昂ぶらせたりせず
      「ボトルをください」と
      通は淡々と告げるものだと 通ぶってみる
      当然 氷で飲むか お湯で飲むかも同時に告げて
      繁忙時には 水くらい 自分で用意をする

      とはいえ 夏はやっぱり生ビール
      これが美味くて もう一杯
      黒生もあって これまた もう一杯
      それから 焼酎へと飲み進む

      そんなこんなで
      懐具合よりも 腹回りを気にする羽目になる





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月を眺めていると 地上を背中が歩いていった



      35年の歴史と煙の漂うカウンターで
      串の数だけ 話が弾み
      串の数だけ ムヌカンゲー
      串の数だけ 舌鼓

      昨夜は
      隣り合わせて座った 小学生ワラバーに遊ばれる
      親子三代で 夏休みの初めに家族の小宴を楽しんでいながら
      隣のオジサンとも ラムネを飲みながら語らいたいという

      このワラバーがまた
      「キミは落語家志望か?」と尋ねたくなるほどに
      酔客の物真似が上手いときたもんだから
      オジサンは酔っていないふりをするのに精一杯で
      軽々に酔うこともできないではないか

      『給食番長』の話がいちばん盛り上がったかな





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      「JRのガード下」と言うと分かりやすいが
      国鉄の頃から ここで焼鳥を焼いているお母さんや
      お姉さんとして ともに歴史を刻んできたお姉さんによると
      「JRの線路脇」「線路の横」と表現するのが正しいのだそうだ

      たしかに ガード下にあるものはといえば
      右へ行けば我が家 左へ行けば二日市温泉街へと至る 立体交差の旧道だけ

      「線路脇」のお隣にはつい最近まで 「オリンピック」という名の洋食屋もあった
      なぜか 深夜になってから灯りの点るその洋食屋で
      その店構えと同様であるに違いない
      平民がちょっと気取る程度に瀟洒な昭和の洋食を
      その店主のガラス越しに見た後ろ姿と同様であるに違いない
      平民の口にもこだわりが分かる円熟の味の洋食を
      いつか そのうち 食べてみようと思っていたのだが
      そんな悠長な目論見は 平成の時の流れに飲み込まれてしまった

      そんなこんなで
      「仕上げにラーメン」などという酒癖が頭をもたげる余地もないほどに
      いつもと同じく 歩くのがやっとという至福の満腹をさすり

      そんなこんなで
      すぐには家路へつかずに 近所を千鳥徘徊したりする
      焼き鳥の後の 千鳥足
      豚足も 美味かった

      ガードの上を 下りの通勤電車が駆け抜ける
      ガードの上を 上りの寝台特急はもう走らない



      こうやって 小宇宙から日常の重力圏に戻りながら
      結局 最後には いつもと同じことに想いが巡り 思い出す


   
      一昨年の夏だったか
      一度だけ 閉店前のほんの一時間の間に
      焼酎の五合瓶を一人で空けてしまったことがあった
      不思議と泥酔することもなく いつもより意識が清澄なほどであった

      そいつと一緒に飲んだ というよりも
      命日の夜 現世の酒を飲むために ひととき
      そいつに身体を貸してやったという
      そんな気持ちでもあった

      しかし そんなことを考えるということは
      やはり 心の深いところで酩酊していたのだろうか


      「なんか しみじみ飲んどったねぇ 急ピッチで」 などと
      その年の秋あたり お姉さんから よく言われたりもした


-2010/7/23-


-Special Thanks-
  やきとり「大政」 (福岡県筑紫野市二日市)

 
category酒道  time23:58  authorKohagura Erio 

Comments

みやぎ wrote:

サラダでもおいしいかんだばー
にはまっています。

 ほっておいても育つし台風に強いし。
2013-04-20 time15:18

Kohagura Erio wrote:

みやぎさま

ターンムむじは時折、栄町へ食べに行くのですが、
かんだばーには、案外、ありつけません。
まちぐゎーで買ってきて、水洗い&あく抜きだけでも、サラダにできますか?
それとも、しろまさんへリクエストがよろしいでしょうか。

かんだばーのジューシー、食べたいです。

追伸
昔、こんなことを書いていたのかと、どぅーで噴き出しました。
2013-04-20 time22:56

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