2009-09-15

ゆく人、くる人 2009


 「漢字の読めない麻生さん」として国民の記憶に残るであろう宰相が、明日、寂しく政権の座から
去ります。

 しかし、まあ、知らない漢字はだれだって読めないし、何となく知ってはいても、ついつい、読み間違うことだってあるでしょう。そういう意味では、同情したくなる面も無きにしもあらずなのですが・・・。
 が、しかし、問題の真の所在は、読めもしない漢字の散りばめられた文章を、一国の宰相が無防備に、平然と、口にしていること。つまり、宰相の「言葉」が、実は、官僚やスタッフの書いた「原稿」の
「代読」であること、ここに尽きるのではないかと思います。

 心が入っていない言葉の空疎が生んだ、面白くて、やがて哀しき悲喜劇でした。




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 さて、こちらの「玉突場」、つまり、ビリヤード場の看板。一体、何年の間、那覇市「太平通り」を行き交う人々の目に触れているのでしょうか。
 明らかな書き間違いではあっても、これを読み間違える人はいないでしょう。あるいは、粋人と拝察されるご主人が意匠を凝らした、入魂の一筆なのかもしれません。
 そして、時とともに人々に認知されることで、その文字は歴史と権威の光すら帯びることになります。

 心が入った言葉の遊びが生んだ、面白くて、やがて尊き光景だとお見受けしました。



 
 さてさて、ご無沙汰をいたしさびら。薄墨純一郎でございます。
 実は、沖縄旅行の熱に浮かされた6月末から5回分、掲載作品を溜め込んでしまっておりました。
 麻生さんにも大いにお世話になって、お礼を申し上げなければならない作品もありましたので、今宵、惜別企画として取り急ぎ、ここにまとめて披露をさせていただきます。


2009年6月16日付 朝日新聞西部本社版 「声」欄 かたえくぼ


 実は、私の居住地の隣の選挙区が、あの鳩山邦夫氏の地盤です。この投稿をした頃、私は、あるポスターを見かけるたびに苦笑し、カメラに収めたいという衝動に駆られておりました。まだ、衆議院が解散される前、そして、麻生氏と邦夫氏との蜜月関係が日本郵政社長人事を巡っておかしくなっていた頃です。・・・あれ?邦夫氏、結局、辞任でしたっけ?更迭でしたっけ?
 笑顔の二人が並ぶポスターは、公選法の建前上、自民党総裁を招いての演説会の告知ポスターという体裁を取っていました。 ただ・・・、その日時が「平成21年11月29日」であるところが、これまた、面白くて、やがて哀しき・・・、でした。
 そこまで政権がもつのか、そして、仮に、もったにしても、わだかまりを持ってしまった「元・お友だち」の二人が、どんな面を下げて・・・失礼、どのような表情で並び立ち、何を訴えるのか。ついつい、どうでもいい想像を膨らませてしまいます。
 しかし、そんな想像も今となっては・・・。
 ちなみに、先週末、邦夫氏の選挙区を車で走ったのですが、件の演説会仕様のポスターは既に、「邦夫氏が一人、正義を実現する」という図案のものに、軒並み、貼り替えられていました。



2009年6月26日付 朝日新聞西部本社版 「声」欄 かたえくぼ


 内容とは関係のない私事ですが、これが掲載された日、私は那覇へと旅立ちました。
 毎度のことながら、出発前夜は徹夜です。朝刊が報じる国内外の動静よりも、私がその朝、求めていた情報は、宜野湾市の森川公園から浦添城址へと歩くルートについてでした。
 閑話休題。
 ここ何代か続いた「使い捨ての総理」も困りますが、それならば、「リサイクル」、つまり、再登板はできないものか、と考えを巡らせてみたりもしたのですが、過去の総理の顔ぶれはといえば・・・。
 思い起こせば、霞が関省庁の現在の姿のグランドデザインを描いた、今は亡き「橋龍」こと橋本龍太郎氏は、再登板を志した稀有な政治家でした。そして、この「橋龍」さんが小泉人気の前に敗れた総裁選から、自民党の今日へと至る歴史の歯車が回り始めたのでしょうか。
 一方で、再登板という意味では、民主党の有力者の皆さんは、総理でこそないものの、党の代表として、「リサイクル」を繰り返し、実践してきたとも言えるかもしれません。
 「分別でゴミも資源によみがえる」。わが町の指定ゴミ袋に書かれている標語です。
 あ、いや、決して「ゴミ」だなんて非礼なことは申してはおりません。ただ、政治家の皆さまには、くれぐれも、深い識見に裏打ちされた「分別」をお持ちいただきたいと、切に願うばかりです。



2009年8月4日付 朝日新聞西部本社版 「声」欄 かたえくぼ


 これについては、ニュース・ソース、つまり、元ネタが分からないという声が多数、薄墨の元へ寄せられました。「国際面の小さな囲み記事も読んでください」と、不遜にも薄墨は答えましたが。
 今もって、アメリカという多民族国家の中に巣食う人種問題が生んだ一つのドラマ。
 在沖米軍というフレームを通して、米兵の姿を間近に見てこられた沖縄の方にとって、それは、「基地の街」で繰り広げられた、肌の色の違う米兵同士の軋轢という形で記憶されているかもしれません。本土に住む者には想像できない、リアリティを伴って。
 ところで、「まあまあ、ビールでも飲んで、二人とも機嫌を直してよ」って、オバマさん、酒じょーぐー?



2009年8月15日付 朝日新聞西部本社版 「声」欄 かたえくぼ


 新聞社さんには恐縮なのですが、発想は紙面からのみ生まれるとは限りません。市井の風景だったり、銭湯でふやけている時の思索だったり、はたまた、テレビのニュースだったり。
 これなどは、典型的なニュース映像です。毎年恒例、たいてい、東名高速道の大和インター付近。
 さあ、高速道路の無料化という民主党のマニフェスト、一体、どんな形で政策に反映されるのでしょうか。温室効果ガス25%削減という目標との整合性は取れるのでしょうか。
 実は薄墨、「モーダル・シフト」論者でありまして、できるだけ公共交通機関を利用する立場につき、沖縄でもかたくなに路線バスの旅を楽しんでいるのですが。
 そういえば、民主党から今回、ご当選された沖縄選出の議員さんのポスターを今春、見かけました。そのポスターには、「沖縄にも電車が欲シーサー」とシーサーが訴えるキャッチ・コピーとともに、沖縄を路面電車が走るという空想の風景が、合成写真を駆使して描かれていました。
 ちなみに、電車の行き先表示は、「うるま市」と「南風原」になっていました。
 軽便鉄道の古地図にロマンを感じたりする薄墨、選挙区は違いますが、この政策、支持します。
 やしが、路面電車でうるま市までって・・・、どんだけ時間かかるばぁ・・・。



2009年9月10日付 朝日新聞西部本社版 「声」欄 かたえくぼ


 そんなこんなで季節は移ろい、民意も移ろい、明日には第93代総理大臣が選出される運びです。新人議員諸氏には、ワイドショーやゴシップ誌に話題を提供する、チルドレンという名のタレントにはならないで欲しいものです。
 最後も沖縄の話になります。「最もマブイを落としやすい年頃は四、五歳の頃」という話を、以前、どこかで見聞きしました。もしも、解散がなく、任期満了となれば、ちょうど4年後に、新人議員さんたちはマブイを落としやすい年の頃を迎えることになります。
 今回、マブイも、何もかも落とした自民党のチルダイ・・・あらん、チルドレンたちも、次の選挙へ向けて、マブイグミを始めていることでしょう。
 願わくは、民の声を反映した、清らかなマブイを込めなおして欲しいものです。

 
categoryかたえくぼ  time23:59  authorKohagura Erio 

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