2009-06-07

空を見上げて

ずっと気になっていて
数日前 その人の目 いや 心に映った空があまりに切なくて

今日は 空に 心に 光が射していてくれないか
日記に 新たなページが書き加えられていないか
何度も その日記を訪れた

それでも
声を届けることはできないし その声は無力で 言葉も見つからない

   ピアノも弾けない
   何か 生涯を賭して打ち込んできた才能もない
   その喜びも分からないし それを失う恐怖や絶望も想像できない

ただ
仕事 ―生業― を失うという次元のものではない
あまりに大きな喪失感 そのことだけは
その才能に心動かされる者として 喜びを分かち合える者として 想像できる



たった一度 お会いしただけ
演奏後に少し 言葉を交わしただけ
初めて聴いたCDの音に どれだけ感嘆し 夢中になったか
その百分の一も 言葉にできなかった 思い出があるだけ
3枚のCDと インターネットから伝わる動静と 私の中の残像だけ



今・・・ 伝わってくる動静は 演奏から離れた日々の記録
その日記は 感情の奔流に揺れ動き
言葉にできない感情と 感情にもならない戸惑いも 垣間見える

最も大切な音 愛して止まない音が
突然 姿を変えてしまう 掴めなくなる そこにあるのに そこにない 
積み重ねてきた世界が 当たり前にあった世界が
歪みの淵の渦の中に 浮いたり沈んだり

心乱れる動揺の中にあって
どうしていいか分からない混沌の中にあって



でも 大丈夫

別の方法で 別の視座から 世界に対峙している
何かを感じ取ろうとしている
これまで見えてなかったものを 見ている
これまで受け止めていなかったものを 受け止めている
いろいろなことに 気づいている

他者のやさしさ 自分の中のやさしさが
心を強くし 心に寄り添っている
 



初めてその音色に接したアルバム 『Rapture』
リーダーの竹内直さんに 今年の3月にお会いした時
こんな話もした

  「エリッチョさん、そろそろリーダー作、出さないんですか?」

その時には 期待を抱かせてくれる答えが返ってきた
毎日のように ライヴハウスでピアノに向かう姿を
思い浮かべることができていた



 清水絵理子さん
   ジャズピアニスト
   通称 : エリッチョ (ericcho)
   http://ericcho.blog81.fc2.com/

 私の手元にある、エリッチョさんが参加した 3枚のCD
   『Rapture』/竹内直 (WNCJ-2184)
   『HOT SUMMER NIGHT』/里見紀子&清水絵理子 (HHR-1001)
   『PORTRAITS』/三槻直子 (WNCS-5107)



これまで以上に感性を研ぎ澄まし 鍵盤から生み出される音に向き合う

『HOT SUMMER NIGHT』 
ジャケットを手に取る
タイトルと同じように 暑い夏の夜を思わせる
あれは 去年の6月22日 久留米 Cafe Cheek to Cheek
竹内直さん (ts, fl) 清水絵理子さん (p) 井上陽介さん (b) 江藤良人さん (ds)



エリッチョさんが目の前でピアノを弾いた夜



二箇所に書かれた エリッチョさんのサインを 見つめる

 「あ・・・・、これ、東京から持ってくる時に、二人で先に、サイン書いちゃってました(笑)」

 「ハハハ。でも、せっかくだから、エリッチョさんだけでも、"実演"でサインをお願いしていいですか」

 「喜んで。お名前と一緒に、書かせていただきます」




今朝
「よい兆しが」 という表題の日記が アップされた

モノクロームの空ではなく
心を癒すための切花でもなく
大地で生命を謳歌する花を 見ていた
うぉっか (猫)の声が 普通に聞こえていた

今は まだ 「兆し」

でも 大丈夫

他者のやさしさ 自分の中のやさしさが
心を強くし 心に寄り添っている







2009年春 沖縄の空

私が沖縄で見た 最も切なかった空

いや 切ないという言葉では言い表せない 
もっと 心の暗部から噴き出る感情と 過去と現在の映像を伴って


 「きれいなだけじゃない 悲しみだけじゃない」

沖縄への想いが詰まっている 普天間かおりさんの歌に近づきたくて
「R329」を歩いていて 出会った空
三分おきに現れた 六十四年間つづく 空の悲しみ 空の怒り

サトウキビ畑をわたる風の音と そこに住まう人々の生活の音だけが
愛おしく 慎ましやかに届いていた 私の耳に
雲より低く 空を切り裂く プロペラの音


 「きれいなだけじゃない 悲しみだけじゃない」

三分おきに空を仰ぎ

目の前の きれいな風景と 人々の営みの中を
また 歩き続ける






 「R329」のきれいな風景は、また日を改めて、「2009 沖縄旅日記」の1ページとして紹介します。


清水絵理子さま
 一日も早いご快癒を、そして、喜びとともに、素晴らしい仲間の皆さまとともに、ピアノに向き合える日が一日も早く訪れることをお祈り申し上げます。
                         ジャズと泡盛と、ジンとウォッカを愛する一ファンより
 
category音楽  time19:56  authorKohagura Erio 

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