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2017-03-14



それでも、海と

   
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  「還流」ということばを知り
  「還流」ということばに助けられ


  耳を澄ますこと 祈ること 見つづけること
  痛みは癒されることがないことを受け容れ だからこそ 寄り添うこと
  信じるに足る人の生き方や紡ぐ物語を 受けとめつづけること
  空疎な嘘や欲望を見抜き 怒りつづけること  

  それ以外に なにもできなった日々の中で
  それでも いつしか蓄えてきたものが
  ある日 別の場所で 生かせることもあるのか

  東北の地へ何もできず 抱きつづけた無力感
  無力感とともに 行き場もなく蓄えてきたものを
  九州の地へわずかばかりでも 「還流」できたのか

  土の重さを知り 心からの言葉を知り 壊されても壊れないものを
  知りながら いや 教えられながら
  

 
  この島で
  「玉砕場」や「白玉之塔」の傷を知る人と触れ合うことはなかったが
  この地を訪れ 知って 感じたことを いつの日か
  またある日 別の場所で 生かすこと

  それもまた 「還流」
  

-2016/2/28 渡嘉敷島(渡嘉敷村)-



2017-02-01

琉球の道

   
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   少年のじかん 青年の時 大人の刻
   それぞれに 流れたゆたい 過ぎゆく歳月
   やがて一年 季節はめぐり 
  

   あの日 少年は
   夕暮れ街に 漂うカジャーを 行きすぎ通りすぎ
   その香の魅惑を 君知るや

   大人になった青年と 青き惑いを抱く大人は
   刺身と お汁と 島酒を
   ごはんと 語らいと やはり男だ たまちゃんも


-2016/2/26 那覇市 安里(栄町)-



2016-10-15

それでも、海と

   
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   明日のために 今日のために
   少し休もう 無になろう
   大きく 慎ましく 自分を忘れよう
   足るを知って 満ち足りる

   太陽の下で 風の中で 海の彼方を感じる此方で 
   一日の終わりの30分 人生に与えらえた30分 地球の上の30分
   砂粒のように いつか たしかに
   時が満ちて 消えてゆくまで


-2016/2/28 渡嘉敷島(渡嘉敷村)-



2016-10-03

沖縄のみなさま、どうかご無事で

   
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-2016/2/28 渡嘉敷島(渡嘉敷村)-


   静かな海 静かな空 静かな明日が 戻るまで

   台風18号が近づく夜に
  
  
  

  

2016-09-05

見つけること

   
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  無口で、不器用で、細かいことをあれこれ言うようなことがなかった親父が、
  ただひとつ、口うるさいほどに、
  時には、机に向かう倅の後頭部を叩いてまで言いつづけたこと。
 
   「目が近い」

  パイロットになりたかった青年の日の夢を、
  近眼を理由に早々に諦めざるをえなかったから。
  そんな話も、親父本人からではなく、母や、伯叔父母から伝え聞いたのだけど。

  そのおかげもあってか、倅は今も、
  「1.5」や「1.2」という視力で世界を見ている。
  

 
 
 
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  親父を送ってから、25年。
  親父に代わって、人生のさまざまなことを教わってきた人々から、
  「見ること」の意味を、いろんな形で、学んでいる。
  
  「よく見ること」の大切さ。
  頭が意味を求めているときも、耳や舌と同じように、目も、喜びを求めること。
  目で見ることと同時に、五感のすべてで感じること。

  そして・・・。
  この夏、洋さんから聞いた、目の見えないスキーヤーの話。





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  見つける。
  こうやって。
  視力だけじゃない、と思う。
  気配に、息吹に、気づくこと。

  見るだけじゃない。
  そこにいる、ここにいる意味も、わかり合える気がする。
  今、一緒になって、この場を、岩肌を、海鳴りを、風を、陽光と影を、
  この時を、感じている者同士。
 
  そして、キミもたぶん、ボクを見ている。
  キミは自由で、そして、キミはすべてに対峙している。
   
   
   
  倅は、パイロットになることを夢見ることもなく、
  でも、こんな風に、空を舞う生命を愛し、生命の舞う果てしない空も愛し、
  不器用に、たしかに、見るべきものを見つめています。

  あとは、対峙する強さ。
  親父から、学び足りなかったこと。
  

-2016/2/28 渡嘉敷島(渡嘉敷村)-



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