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2012-06-20



三和村

    
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-2010/6/26 糸満市 束里-



     糸満にはむかし 三和(みわ)村がありました
     三和村はむかし 喜屋武 真壁 摩文仁という 三つの村でした   


     1945年
     戦世は 三つの村まで押し寄せて その先はもう 海だけでした
     戦世は 三つの村に住む人や そこに逃れた人々を巻き込んで おわりました


    


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-2011/3/6 糸満市 国吉-



     戦世のあと 三つの村はひとつになりました
     戦世で 多くの人がいなくなったから

     戦世のあと 三つの村はひとつにならないと
     くらしも 学校も 始められませんでした
     戦世で 多くの人がいなくなったから

     三和村ができました


     戦が終わった翌年の4月
     字名城の米軍施設あとに 三和初等学校が設立
     1949年4月
     喜屋武分校 米須分校が それぞれ独立校となり分離
     




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-2011/6/17 糸満市 米須-


     
     そんな歴史も包み込む130年
   
     米須からはいつも 海に向かって歩くので
     学び舎のあるくらしはまだ 見ていません

     60余年の齢と記憶を背負って歩く あのころの小学生と
     すれ違ったことは あるかもしれません





  ■ 小学校の沿革については、糸満市立真壁小学校の公式ホームページを
    参照させていただきました。
  ■ 3~4枚目の撮影地、糸満市国吉は、旧高嶺村地域です。
    旧真壁村の北西側に隣接しています。


2012-06-14

やまがたさん

    
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この風景を あの日は撮らなかった




    2008年3月、初めての沖縄ひとり旅の記憶。
    糸満を拠点に南部を歩いて二日目の、夕暮れが近づいていた頃。

    真壁から、農業研究センター横の直線道路をまっすぐ、北へ向かって歩き、
    緩やかな坂を登りきったところで、小さな四つ角に出た。

    右手には「栄里之塔」、左手は「米国第十軍司令官バクナー中将戦死之跡」。
    一本の道を挟んで、1945年6月18日という日を挟んで、
    歴史が激しく交錯した地であるという想いを抱いて、その場所に立つ。



    このあと、国吉の方へ向かうつもりだったので、
    まずは、バックナー中将が戦死したという、小さな丘に登る。
    しばしの時を過ごし、「栄里之塔」へ向かおうと階段を降り始めたとき、
    ひと組のカップルが同じ階段を登ってきた。
    すれ違いに、軽く会釈をする。

    決して華美ではないが、それでも、
    こういった場所を訪れるには似つかわしくない装いだという印象を持つ。
    女性のヒールの音が、静けさの中に遠ざかる。

    そんな残像はしかし、すぐに意識の中から消える。



    「栄里之塔」でも、同じくらいの時を過ごす。
    碑文の一言一句を読み、時にとまどい、その真意を読み解こうとした分だけ、
    少し、長い時間だったかもしれない。



    四つ角へ戻り、国吉へと向かおうとした時、路肩に停まっている車に目が行く。
    車中には、先ほどすれ違ったカップル。
    レンタカー。

    どちらから声をかけたのか、もう記憶は定かではないが、
    このカップルと私は、車の窓越しに、同じ地図を眺めながら、言葉を交わしている。

    二人は、すぐ近くにあるはずの「山形の塔」へ向おうとしているのだが、
    道がよくわからないという。

    私の手元の地図にも、その場所が記されている。
    そして、旅の前に読んだ資料で、その場所のことも承知していた。
    これから向かおうとしている「白梅之塔」と同じ方向であった。

     「だったら、道案内をお願いするついでに、途中までご一緒しませんか」

    そんな申し出を受け、車中に招き入れられる。



     「失礼ですが、山形県のご出身なのですか?」

    そんな私からの問いに、返ってきた答えは意外なものだった。
    山形県には、縁もゆかりもないという。
    では、何故?

     「地図を見ていたら、自分と同じ名前の塔があったので、どんな場所かなと思って」

    声の調子から、その言葉が本心を語っているのだと受けとめる。

    ということは、戦跡を訪ねるという旅路ではないのだろうか。
    だとすると、バックナー中将戦死地の墓標や碑文を見て、そこに漂う空気に触れて、
    どんなことを感じたのだろうか。

    そんな会話をするには、知り合ってからの時間が短すぎた。
    そんな会話をする間もなく、細道を最徐行してきた車は、
    ほどなくして「山形の塔」の前に停まった。





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    三人で車から降りる。
    しかし、私は塔へは向かわなかった。
    塔へと向かう二人と、距離を保った。

    道を挟んだ場所にあった「歩兵第三十二聯隊終焉の地」碑の文言を読み、表情を硬くし、
    「山形の塔」を囲む森を眺めた。

    二人がどんな様子で戻ってくるか、それを見てはならないような気がしていた。

    そして、最初で最後かもしれない旅の限られた時間の中で、長居をする場所ではないと、
    この時は思っていた。
    沖縄の犠牲と本土の犠牲とを、自分の中にしっかり取り込むことなく、
    交わるところのないものとして、二項対立させていた。 



    時計の針は午後6時を回ろうとしていた。

    車を降りる際、先を急ぐということは伝えていた。
    短い同乗への謝意も伝えていた。
    あえて声をかけずに、立ち去ることにした。



    しばらく歩いて、車を降りた場所を振り返ると、
    西の空と光の中に、二人のシルエットがあった。
    その表情を読み取るには、すでに、遠く離れすぎていた。

    旅の中のひとつの点景として、その情景にカメラを向けようとして、思いとどまる。
    軽く会釈をして、東へと向き直り、「白梅之塔」へと歩き出す。





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    2011年3月、ふたたびこの場所に立つ。
    3年前とは反対に、「白梅之塔」から西へ向かって、歩いてくる。

    3年前とは違い、逡巡することなく、壕の闇に向き合う。
    見えないその闇を、見つめようとする。

    3年前とは違い、「勇戦奮斗」「玉砕」「遺烈」といった受け入れがたい言葉にも、
    目をそむけない。
    ひとたび、自分の中に取り込んだ上で、その言葉を刻んだ人の心をも読み解きながら、
    想いを定めようと思う。

    それでも、3年前よりも激しく、「軍旗を奉焼」という言葉に、
    名状しがたい嫌悪と憤怒を覚える。
    人の命よりも重く、権威の象徴たる旗を尊ぶような愚。
    そんな愚が蘇ろうとする、そんな愚を蘇らせようとする気配に抗って、
    40余年の後、旗は焼かれるべくして焼かれたのだと思い至る。





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あの日はここで 車を降りた




     そんな想いを抱えながら、それでも、3年前とは違う歩みで、
     呼吸をするように穏やかに、周囲の風景や光を眺めた。

     午後2時の太陽はまだ、空に高かった。


-2011/3/6 糸満市 真栄里(写真)-



2011-11-11

不惑+3歳の歩き方 ~ インタリュード

    
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-2011. 2.26 中城村 久場-


    一年間、言葉にできなかったことは、やはり、簡単には言葉にできない想いであり、
    混沌としたまま、それを突き抜けるだけの強い意志も持てず、
    あるいは、独白として書くことよりも、対話によって形になるものなのかもしれません。

    いずれにしても、今日もまた、その混沌と、浮かんでは消える言葉の断片とともに、
    旅の記憶を辿っていました。

    この写真の朝は、沖縄の戦後のはじまりの、
    ひとつの記憶を刻んだ碑を探し歩いていました。 

      




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-2009. 3. 2 吉の浦公園 (中城村 当間~安里)-


    その2年前の春、やはり、中城村を歩きました。
    北の端から、南の端まで、R329を。
    時おり、海や、集落や、ウージ畑に外れたりしながら。

    普天間かおりさんの故郷、中城村を、
    それも、心から離れることのない『R329』という歌を想いながら、
    その国道329号線を、歩く。

    歩けば、何かが見えてくるだろうと。
    いつもの旅と、同じように。


    そんな道行きの中、ただ、海辺でなかゆくいというつもりで立ち寄った、吉の浦公園。
    まっすぐに海を目指せば、見逃していたかもしれない石碑。
    初めて見る、「大城立裕」という名前。
    一読しただけでは像を結ばない詩文と、その時の自分。

    おそらく、帰宅して後、ふと思い出したようにその名前を調べて、
    頭の片隅にとどめたであろう名前。


    2010年の11月、大城立裕さんの『日の果てから』という小説に出会いました。

    それまでの旅で知りえた沖縄のこと、歴史のこと、文化や言葉、
    自分なりに想像できる人間模様、
    今現在の沖縄を思い出すことで、往時を想起できる場所。

    そんな歳月を経て、今、出会うべくして出会い、読むべくして読んだという想いと、
    それを真っ向から打ち消す、脳裏に浮かぶ、あまりにもおぼろげな戦場の像。

    自分の足で歩いた、平和な今と同じ時間が流れる戦の跡より、
    さらに奥深い場所へ入らねばならないという想いに突き動かされました。

    そして、そんな想いを携えて、それを実現することを主たるテーマとして、
    2011年の春、また、沖縄を訪れることになります。




2011-11-10

不惑+3歳の歩き方 ~ 序

    
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-2011. 2.26 中城村 久場-





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-2011. 3. 4 南部戦跡(八重瀬町・糸満市)-





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-2011. 6.20 糸満市 摩文仁-



    3.11があったこと、そして、自分自身の中で十分に消化できていないことも相俟って、
    この一年の出来事、とりわけ、沖縄への旅の中での出会いや体験の中で、
    ひとつの記憶として定着できていないことがいくつか、残っています。

    もちろん、記憶には一時に定着されるのにとどまらず、
    後に、さまざまな肉付けがなされつつ、その輪郭は明確になっていきます。

    そのプロセスのひとつが、記憶に関する他者との対話。
    もうひとつが、記憶から生まれる自らの想いを何らかの形で外在化すること。

    振り返ると、いずれもが成しえないまま、日々が過ぎていきました。



    乱暴な言い方になりますが、人が一時に抱えることのできる、
    「悲しみ」「不安」「想像力」には限度があるように思います。
    3.11に始まった、震災や原発に目を向ける「非日常が日常化してしまった日常」の中で、
    それらと重なるものも多い、沖縄の戦中、戦後のことは、そんな限度の中でどうなったのか。

    他者との対話の中から、沖縄のことが減っていくのは否めませんでした。



    前に述べた記憶とは、沖縄の戦争に関わるもの。
    それも、それまでの旅のひとつの節目として、覚悟をもって臨んだもの。
    それまでの自力での歩みでは足を踏み入れることのできなかった、深い世界も。

    

    自分自身の想いはどうか。

    折にふれ、旅の写真を振り返り、史料を眺めたりすることで、
    常に沖縄のことが頭の中にありました。
    原発と基地問題との符合ということも思い続けています。

    それでもやはり、春の旅を終え、帰宅して3日後に起きた3.11により、
    旅のことも含め、一時的に思考停止でした。
    決して忘れることはなくても、それでも、想いが深まらず、自分の言葉にならず。

    やがて、思考停止から脱し、春の旅の記憶を十分に消化、定着できないままに、
    また、夏の旅に出ました。
    心の準備ができていなかったという意味で、
    それまでとはまったく違う、衝撃を受けた体験もありました。


 
    そんな一年の旅の断片を、いつまでも心の積み残しにしないために、
    記憶から生まれる自らの想いを、外在化しておこうと思います。

    もしくは、春の旅を思い立つに至った、ちょうど一年前、42歳の初めに読んだ本のこと、
    その本を読みながら、2008年春以来の様々な旅の場面を思い起こしたことなどを。

    明日にでも。



    ブログとは名ばかりの、行きつ戻りつする記憶の断片を、
    これからも綴っていきます。



2011-11-08

自然のゆらぎ

    
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-2011. 3. 5 ヤハラヅカサ (南城市 玉城百名)-





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-2011. 6.20 味の店しろま (那覇市 西)-



    天も地も静穏にして何ごともなく
    天動説に則っているかの如く 今日の日が流れてゆき

    今日できることだけをしたご褒美に
    自分の平衡感覚がちょっと揺れるくらいの 夕べをたしなむ

    そんな日々がつづいていきますように



    だいじょうぶでしたか?



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