2010-11-10

不惑+2歳の歩き方

   
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    五歳くらいまでのワラバーはよく転び
    転ぶとその拍子に マブイを落としやすいという

    ウチナーのワラバーが アヒラー(アヒル)ジュー(尾)のように
    うなじの髪の一端を伸ばしていたのは
    転びそうになったとき ご先祖様がアヒラージューを掴んで
    助けてくださるからだという




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    伊江島補助飛行場の コンクリートの割れ目から生えてきて
    二月の北風になびく この草を見たとき
    まるで この土地から伸びた アヒラージューのようだと思った

    もしも 軍用機やパラシュートや兵器やらが
    この土地に再び 降り立とうとするときに
    だれかに掴んでほしいと 助けてほしいと 言わんばかりだと




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    島の歴史を学び 「ヌチドゥタカラの家」を訪れ 
    いまだ立ち入ることのできない 訓練場のフェンスの前にも立って
    北風を受けながら 南西から北東へ一直線 2000mのデコボコ道を歩いて
    周囲の景色や 人々の営みも目に焼き付けて

    それでもなお
    この土地を 「伊江島補助飛行場跡」であると勘違いして歩いていたような
    旅を終えて後に
    この土地が今なお 在沖米海兵隊管理下の「伊江島補助飛行場」であることを知ったような
    そんな者にでも
    アヒラージューを掴むことはできるのだろうか


-2010/2/18 伊江島-





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    歴史に学び 現在に学び
    平和を学び 軍事にも学び
    歩いて学び 机上で学び

    それでも 四十二歳の歩き方は

    自らのうなじにアヒラージューが必要なほどに
    混沌とする世界と 錯綜する情報の前で
    風になびいて 危うい


    将来への想像力 他者との距離感
    その感じ方は 人それぞれで
    自分の中でもまた そのときどきになびくので

    確かにあった過去の 確かに生きた人の声に寄り添い 
    着弾点の残像に 立ち帰る
    まだ見ぬ土地の 草の生えない着弾点を 想像する 
 

-2010/6/26 荒崎海岸より摩文仁丘を望む(糸満市)-

  
    
category沖縄旅まんちゃー  time23:53  authorKohagura Erio 

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