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2016-06-13



それでも、海と

   
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  光と影
  過去と未来
  「昨日まで」を失った涙と「明日から」を掴もうとする汗
  時を超えて意味を求める心と今ここにある喜びを捉える目
  心と目 どっちも自分 戸惑いと煩悶

  
  沖縄 熊本 歴史 いま
  想い いちむどぅい(行き戻り)しています


-2016/2/28 渡嘉敷島(渡嘉敷村)-


  

2016-04-12

それでも、海と

   
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    指先ですくった水を 二度 三度 口へと運び
    喉を静かに流れ落ちるのを感じながら
    からだの奥深くへと届け 受けとりました


    それは この海への賛嘆の口づけ
    それは 何人の手も経ずに からだの素を取りこむ悦び
    それは 辺野古 水俣 福島 いつくかの海と海辺の
    隣人の心に寄り添う行動
    それは かつて生まれてきた世界と いつか還るべき世界と
    いま からだの中に在る世界とを ひとつの環につなげる覚醒






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    それは マルバイになるのを思いとどまった海で
    心と消化器系をマルバイにした 海との交わり



-2016/2/28 渡嘉敷島(渡嘉敷村)-



2016-04-05

花 ~ うまんちゅぬ肝心に花を 瞼の中に

  
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 ここで夕陽を見るつもりだった。



 西へ下れば渡嘉志久集落、ビーチ、東へ下れば渡嘉敷集落、今宵の宿。
 西へ沈む夕陽、夕陽に染まる空と海。
 ここは山並みの切れ目になっていて、遮るものはない。
 ということを、地形図で読み取っている。

 渡嘉敷集落までは、下り坂でおよそ2kmの道のり。
 ゆっくり歩いて、30分。

 街路灯などないアコークローの山道に、念のための懐中電灯。
 万が一、ハブさんの道路横断に「ぐぶりーさびら」するような場合には、
 三脚を、専守防衛の範囲で、伸ばせばいい。
 ターブックヮ(水田)が黄昏色に染まっていたら、しばらく見とれるかもしれない。
 さっき見た、あのケラマツツジへの恋心は、宵闇の中でさらに、
 燃え上がるかもしれない。
 もしも、リュウキュウヤマガメに会えたりしたら、
 しばし、カメのペースでカメの後ろを歩く、はず。

 そんなことがあっても、まあ、夕食の時間にまでは、宿へ戻る。


  
 そんなふうに心に決めていた場所を、昼下がり、通りかかる。
 路肩に車を寄せて、眼下に渡嘉志久ビーチを望む。
 地形図で読んだとおりの見晴らしに、頬が緩む。
 そして、予想をはるかに超えて、すべてが美しすぎる。
 微笑んだまま、息を飲む。

 この景色が、夕陽の中で一体、どんな色に染まるんだろう。

 美しすぎる色彩に満たされた視野の中で、足元の植込みに目がとまる。
 赤、オレンジ、紫の花々。
 目の前に広がる青と緑の色彩に、さらに彩りを加える花たち。
 花から花へ、蝶が舞う。
 その飛跡を、楽園という言葉がよぎる。
 そして、花を植えた島の人の肝心にも想いを寄せる。
 感謝の微笑みを届けたいと思う。
  


 時計を見る。
 午後1時を少し回ったところ。
 ここに来るのは、あと5時間後か。
  
 午後6時に、阿波連でレンタカーを返す。
 本当はその30分後、6時半の日没を阿波連で迎えたかったのだけど、
 返車の時間は決まっている。
 その後、渡嘉敷集落までの送迎をお願いすることになっているので、
 わがままは言えない。
 阿波連から渡嘉敷まで、日が暮れてから歩いて山越えするのは、さすがに無理。
 昼間だったら、楽しい道のりになるだろうけど。

 阿波連のサンセットは、きっとまた、チャンスがあるだろう。
 やしが、でもやっぱり、西の海を、西の空を、
 オレンジ色に、アコークローに染まる、慶良間海峡を、やっぱり、見たい。

 

 わがままは言わないのですが・・・、やしが・・・、やさっ!
 ここで、渡嘉志久の分岐点のところで、降ろしてもらってもいいですか?
 いいんです、あとは自分で、歩いて帰りますから。


 
 ということで、レンタカーを借りるときに話をつける。





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 この海が、この静かな海が、そして、このさわやかな風が、本当に明日・・・。



 想定はしていたけれど、やっぱりちょっと想定外のことが、ずっと頭の片隅にある。
 いや、正確に言うと、その想定外を想定して、
 じつは今日一日、少し駆け足で動いている。
 明日、行こうと思っていた場所、やろうと思っていたことを、今日のうちに。



 今朝、泊港を発つとき、そして、島に着いて民宿の方の出迎えを受けたとき、
 さらには、レンタカー屋さんからも、
 明日のマリンライナーの運航を心配する声を聞く。
 ネットで見る波浪予報も、明日の午後以降、渡嘉敷島の近海を、
 3.0~3.5mという、なんとも微妙な色に染めている。



 まあ、明日は明日の、風が吹く、か。
 ・・・あらん! 吹いちゃだめだ!



 午後6時、阿波連で送迎の車に乗る。
 話題はやはり、明日の運航。

 「午後便はまず、出ないでしょうねぇ。明後日も、う~ん、ちょっと、厳しいかな。
 フェリーだったら、なんとか、出るんでしょうけどねぇ」
 
(フェリーはこの時期、ドック入り期間で、週のうち2日ほどしか運航しない。
 高速船のマリンライナーは、波高3mの予報が出ると欠航。フェリーは4mまで)

 

 明日の午後便の欠航は、もはや避けられないものと観念しつつ、
 その流れから、船が出ない時の島の暮らしをいろいろ尋ねたりする。
 那覇との間の海が時化ても、島のまわりは案外穏やかなことも多く、
 魚が獲れるから、差し当たりの食糧は調達できる。
 場所によってはダイビングも普通にできるポイントもあって、
 島から出られないという不可抗力をも計画的に織り込んで、
 それを天恵として、休暇と滞在を延ばすダイバーさんもいる、等々。
 そんな話をしながら、車窓から見える夕景にもカメラを向ける。



 そして、渡嘉志久集落との分岐点、あの場所が近づく。
 そして、ここへきて、急に、気が変わる。
 というよりも、心を決める。

 「すみません、やっぱり、渡嘉敷の宿の前まで、行ってもらってもいいですか?」



 明日は一日、夕方5時のマリンライナーの時刻まで、
 島の中をゆっくり、歩くつもりだった。
 渡嘉敷の集落も、半日くらいかけて。

 しかし、もしも明日、午前10時のマリンライナーで島を発つことになれば、
 その時間がほとんど取れないことになる。
 夜明け前から起き出したとしても、やはり、ちょっと、時間が短い。
 そして、今日一日、ずっと駆け足だった。
 急ぎすぎた。
 慰霊の地に佇んだ時間を除いて。



 夕暮れどきは、ゆっくりと島の暮らしの中で、
 島の時間に溶け込んで、過ごしたい。
 
 夕暮れどきを唄う、いくつかの歌の歌詞とメロディーが、頭に浮かぶ。
 思い浮かんだ歌の情景には、人がいて、暮らしがあって、
 ゆったりと流れる時間を愛でている。
 
 西の海へ向かってひとり、雄大な夕景に酔うよりも、
 山の向こうに沈んだ光の透明な残照の中で、穏やかに黄昏れてゆく、
 暮らしの中を歩くことを選ぶ。
 そうすることにした。



 そんな一日のおわり。
 寝る前に、目を閉じて、今日一日の情景を呼び起こす。
 瞼の中でこの場所が、花の色が、さらに鮮やかになって、蘇った。
 


-2016/2/28 渡嘉敷島(渡嘉敷村)-



2016-03-29

夕暮れの丘で

  
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   明日と明後日と もう一日くらいの好天と 海の凪を願う
   そんなささやかな願いさえも忘れて
   しばし心は空となる


   空っぽの心は 風を忘れ 音を忘れ
   かたちあるものはすべて
   光の中でかたちをなすことも忘れる


   やがて 風を感じ 音を捉え
   光の中に 島のかたち
   心の中に 明後日からの渡嘉敷島
   


-2016/2/26 首里城 西のアザナ(那覇市)-



2016-03-28

この世の水に映る空 渡嘉敷村慰霊祭の日に

   
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   白玉之搭から赤間山まで登る
   烽火台跡 (ヒータティヤー)の展望台にしばし 佇んだ
 


   海が空を映し 空が海を映す
   海と空と その境目さえ分からなくなる絶景にしばし 酔う
   
   その境目は かすむ水平線

   海は雲の流れを映し 空は波のざわめきを映さない
   海と空はやはり 此岸と彼岸

   その境目に 30km彼方にあって地形をみとめる沖縄本島
   その距離が隔てる 3月と4月



   正気に戻る
   北山へと歩きはじめる

   昨夜の雨が作った水たまりにも 空が映る
   頭の中の「あの日」の地図は 目の前の景色の中に霞む

   靴を濡らして水たまりを進む
   進みきったところで 道を誤ったことに気づく

   空を見上げ 太陽を見上げ 道の曲がりと記憶を辿り直し
   自分の居場所をたしかめる



   正気に戻る
   ポケットから 港で受け取ったガイドマップを取り出す

   水たまりを引き返し この水がやがて谷川となる
   その場所へとつづく道を 辿り直す

   白玉之搭の前で ひとりの人間として考えたことを
   歩みながらまた 意識の深みから引きあげる
   

   
   
   
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海と空 この世の光と風





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烽火台跡 (ヒータティヤー)の水たまりもまた 空を映していた




-2016/2/28 渡嘉敷島(渡嘉敷村)-

 
 
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