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2016-04-03



それでも、海と

  
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    それぞれの いま それぞれに

    それぞれに また
    明日が来るように



-2015/6/28 読谷村 波平~読谷村 宇座-



2016-04-01

琉球の道

  
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  昨日はこの先の海で、夕日を追いかけた。
  幾筋もの道が西の海辺へと至る、そのうちのどれかを通って。
  海辺に沿う道を、行きつ戻りつして。


  モクマオウの森を抜け、アダンの林を歩いた。
  島サバの足裏に、隆起珊瑚礁を感じた。
  浜のヤドカリと遊んだ。
  釣り人のシルエットにジェラシーを感じた。
  波と雲を染める光の色と、同じ色に染まるのを悦んだ。
  夕餉に天ぷらを買い、さらに、さしみを買うことを考えていた。
  カメラのバッテリーを気にした。
  お墓へとつづく径へ向かって、「ぐぶりーさびたん」とつぶやいた。
  日暮れてなおウージ畑で働く方々と、一日の終わりの笑顔を交わした。
  雲間に消えたはずの夕日がスーパーのガラスを紅に染めるのを見て、
  また夕日を追って、坂道を駆けた。


  忘れていたわけではなかった。
  でも昨日は、昨日の今、目の前のことを旅していた。


  そして今朝も、座喜味のグスクで、美しすぎる夜明けを迎えた。
  「永和の塔」に頭を垂れた、そのすぐに後には、
  朝食に遅れてはならぬと、汗を光らせながら歩を速めた。



  そして、気持ちを今日のこと、今日向き合う、あの日へと、整える。
  そんな出立前のひとときに、穏やかな時が流れる。

  夜のふけるまで語らった方と、朝食をご一緒したのち、今しばらくの語らい。
  朝の光が射すテーブルで、静かに交わす言葉は互いの瀬を越え、深くなる。

  「非業の最期を遂げた亡き人の想い・・・想いのようなものを、
   その土地で、感じることはあるのでしょうか」
  「それは明瞭な言葉として? あるいは言葉にならない声、感情の痕跡?」
   




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  チビチリガマの前に立ち、昨日と同じ海を見る。


  その方が「たしかに、感じる」という想いや声を、
  これまではまだ、受けとめたことがない。
  今日、もう一度、深く耳を澄ましてみようと思う。
  だが、それは聴こえてくるものではなく、より深く寄り添って、
  自分のこととして想像してみる、自らの想いや声なのかもしれない。
  昨日までを大切に想い、明日も生きつづけたいと願う、
  ひとりの人間として。



  海から戦が、やってきた。
  とうとう、やってきた。
  もう、どうしようもなく、本当のことになってしまった。
  もう、どうしようもないのか。
  どうしよう、どうしよう、どうすればいい・・・



  自分の声を聴いてから、ガマへの階段を降りる。
   


-2015/6/29 読谷村 波平-


2016-03-31

琉球の道

  
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    明日へとつづく 今宵の安らぎへとつづく
    そぞろ歩き そぞろ立ちどまり
    いつまで? いつまでも?

    風はどこから? そして あの波の音は?



-2015/6/28 読谷村 波平-

  
  

2016-02-14

それでも、海と

  
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   風波の高さまで 下りてみる
   潮風の中 草が香る

   その高さから 海を見て 地に触れる

   その高さから 立ち上がらなかった人のことを想い
   また 立ち上がる


-2015/6/27 糸満市 米須-



2016-02-05

慶良間の見える、はずの丘

  
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  首里城西のアザナからも、泊いゆまちからも、
  瀬長島からも、糸満の山巓毛からも、
  那覇空港着陸前の心躍る窓からも、離陸前の心黄昏た搭乗口からも、
  そして、「ハル」に教えてもらった大好きな“イチャンダ”ビーチからも、
  わざわざ探すこともなく、当たり前のように、
  慶良間の島影はいつも、西の水平線上に見えている。

  あの雨上がりの春、「慶良間チージ」からは、どうだったのだろうか。
  首里城の方と、新しい街並みのその下に積み重なった歴史ばかりを見ていて、
  西の海を望んだ記憶がない、「シュガーローフ」とも呼ばれた丘。



  「慶良間諸島への眺め、夕日は抜群に美しい」

  そんな謳い文句に惹かれて、この地を訪れたのは、
  6月末の、午後4時過ぎ。
  梅雨明けの湿気を孕む空で、真夏の太陽はまだ、水平線のはるかに上にあって、
  海空を熱く照らし、地上の万物は深いコントラストを刻む。

  肉眼が捉えるものはすべて、
  白い射光の中に溶け込むか、黒い陰影の中に沈み込み、
  カメラはその色彩を記録できない。

  わざわざ探すこともなく、当たり前のように、
  そこにあるものだとばかりに、いつものように、西の水平線を見る。

  島影はない。
  空と海の境に、なにも見えない。
  島影もまた、白い射光の中に溶け込んでしまっているのだと、
  細めた目にそれ以上の光を取り込むことを、諦める。



  眼下に、エージナ島が見えている。
  そして、畑、農道、ビニールハウス、防風林。

  初めての旅で「轟の壕」を訪れた後、
  放心したように、現実の時間へ戻るために、
  真栄里の電照菊畑まで歩き、北名城ビーチで佇んだ。
  あのあたりだったのだろうか。
  あの頃はまだ、慶良間は、意識の中になかった。
  海はアーサ色だった。





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おじゃま・・・ですよね ヒッチェーシする(引き返す)べき?

  



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おじゃましてしまいました 居場所を見つける天才ですね





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  エージナ島の先、真西じゃなかった。
  もうちょっと、あと少し、北の方へ視線を移していれば、
  その白い光の中に、西北西の水平線上に、
  ウン島や阿波連崎の島影は見えていたかもしれないと、
  今さらながら地図をよく見て、その位置と距離を理解する。

  沖縄本島から渡嘉敷島まで。
  その距離およそ、30km。

  進貢船、御冠船の、長い航海の、はじまりとおわり。
  カツオ漁船の残像。
  1945年の3月のこと。

  島を歩く前に、ひも解いてみる。


-2015/6/26 糸満市 名城-

  
  
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